1996 Fiscal Year Annual Research Report
αヘリックスを構成要素とする人工チトクローム系(電子チャネル)の設計・合成
Project/Area Number |
08651037
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
釘宮 恒一 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (60183795)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米勢 政勝 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (00080218)
|
Keywords | ペプチド / ヘリックス / リポソーム / ヒスチジン / 粒子径 / 光散乱 / ヘム |
Research Abstract |
我々は当初、電子チャンネルの設計を目指し、いくつかのαヘリックスペプチドを合成した。そのうちの一つがNP25である。両親媒性オリゴペプチドNP25 (EELGLLLHALAKLKGALLHLLAGEE)は常法により合成・精製・同定したものであるが、このペプチドはリポソームと共存させるとリポソームの膜融合活性があることが判り、まず、膜融合ペプチドモデルとして研究を行った。 NP25に疎水部に2つのヒスチジンがあり、2つとも同じ方向を向いているように設計された。設計の段階では2本のヘリックスが2つのヘムによりバンドルされた構造を考えている。 レシチンリボソームはリン酸緩衝液(50mM)中、超音波法により調製し、ゲルろ過により精製した平均粒子径100nmのものを用いた。膜融合過程は光散乱(DLS)、濁度、共鳴エネルギー移動(RET)法などで追跡した。 卵黄レシチンリポソーム(EggPC)リン酸緩衝液中に25度でNP25を添加し、融合反応をDLSで追跡すると平均粒子径は時間とともに増大する。 膜融合過程の詳細から最初リポソームにNP25を加えたとき、NP25は膜に水平になっていると考えられるが、一度膜融合を起こしたNP25は二分子膜リポソームを貫通し、安定な機能化リポソームを得ることができた。このことは電子チャンネルのアポ蛋白質部分の埋め込みに成功したといえる。
|