1997 Fiscal Year Annual Research Report
ゾル-ゲル法を用いた高密度な不斉空間を持つポリシロキサン光学分割膜の創製
Project/Area Number |
08651049
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
青木 俊樹 新潟大学, 工学部, 助教授 (80212372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
及川 栄蔵 新潟大学, 工学部, 教授 (00018467)
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Keywords | 光学分割膜 / 不斉空間 / ゾル-ゲル法 / ポリシロキサン |
Research Abstract |
1.研究目的 申請者らは嵩高いキラルなピナニル基を持つシリルアセチレンポリマーよりの膜が優れた光学異性体選択透性を示すことを報告している。この膜は孔のない緻密な膜で複数の嵩高いキラルなピナニル基の間隙が不斉な空間を形成し、ここをラセミ体が透過する際にR体とS体で拡散性の差が生じ光学分割が行われると考えられた。しかしこの不斉空間は非常に狭く、またピナニル基も嵩高く運動性が低いためにこの膜では透過速度が非常に低いものとなる。またこの不斉空間は透過条件によっては破壊されやすい不安定なものであった。そこで本研究ではより柔らかい主鎖を持ち、かつ安定な不斉空間を有する高分子膜を得ることを目的として、嵩高い光学活性基を持つ高分子残基を持つアルコキシシランを合成し、これを製膜したのち、キラルグループ部分を加水分解後の溶媒抽出により除去し、安定かつ運動性を持った不斉空間を構築する。これを用いて高い光学異性体選択透過性を実現する。 2.研究実績 (1)アルコキシシリル基含有アセチレンポリマーの合成 アルコキシシリル基をもつ末端アセチレン誘導体を合成、重合し、得られた高分子より膜を得た。 (2)膜中のアルコキシシリル基の加水分解による空間を含む膜の調製と透過性への効果 このポリマー膜の加水分解と抽出によってアルコキシ基を除去し、空間を形成させ、得られた膜の透過性能の変化を調べ、空間の効果を検討した。これにより膜中のアルコキシ基の除去の最適条件を検討した。 (3)キラルなアルコキシシリル基含有アセチレンポリマーの合成 キラルなアルコキシシリル基をもつ末端アセチレン誘導体を合成、重合し、得られた高分子より膜を得た。 (4)膜中のキラルなアルコキシシリル基の加水分解による不斉空間を含む膜の調製 このポリマー膜の加水分解と抽出によってアルコキシ基を除去し、不斉空間を形成させることを試みた。 (5)今後、これら膜の光学異性体選択透過能を評価する予定である。
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