1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08651057
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Research Institution | Osaka city University |
Principal Investigator |
山田 文一郎 大阪市立大学, 工学部, 教授 (50047198)
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Keywords | ラジカル重合 / 星型ポリマー / ブロック共重合体 / 付加・開裂連載移動 / 末端基 / 分岐構造 / ポリマー分子量 / ゲル化 |
Research Abstract |
α-置換メチルアクリル酸メチルは置換基の種類によっては、付加開裂連鎖移動剤となり付加開裂が優先し2分子停止の寄与を最小限にすることができる。したがって、多官能性付加開裂連鎖移動剤を添加したビニルモノマーの重合により、分岐構造および多重分岐構造の生成と制御が可能となった。α-(ベンジルチオメチル)アクリル酸メチル(1)を連鎖移動剤を少量添加してメタクリル酸メチル(MMA)の重合を行うと、生成ポリマーの末端と移動剤切片のカルボメトキシアリル基の間にC-C結合が生成する。この不飽和末端基にポリ(MMA)ラジカルは付加しないが、ポリ(St)ラジカルは末端基に付加し最終的には2本のポリ(St)鎖が結合する。したがって、生成ポリマーは分岐ブロック共重合体あるいは星型ブロック共重合体となる。Stの重合に少量の1を加えると、付加開裂により生成した不飽和末端基へのポリ(St)ラジカルの付加も起こり星型ポリ(St)が得られる。2官能性付加開裂連鎖移動剤であるα-(ベンジルチオメチル)アクリル酸エチレン(2)を用いてMMAの重合を行い、2本のポリ(MMA)鎖が連鎖移動剤切片で結合したポリマーを得た。この場合は、連鎖移動剤の切片を介して2本のポリ(MMA)鎖が結合するが、ゲル化は起こらない。このポリマーの共存下でStの重合を行うと、分岐が増し星型ブッロク共重合体が得られた。多官能性連鎖移動剤を用いると、ポリマー鎖中に導入できる分岐点の数には限りがある。そこで、α-アシロキシメチルアクリロイル基と付加開裂を行うα-(ベンジルチオメチル)アクリロイル基を含む重合性の付加開裂連鎖移動剤(3)を合成した。3を使用してMMAの重合を行うと分岐点が導入されるが、分岐も分岐点が含まれるため多重分岐ポリ(MMA)が得られた。^1H-NMRによる構造解析で3単位ならびに不飽和末端基の含量は決定できるから、多重分岐ポリマーの構造を明確にすることができる。さらに、Stの重合に共存させて分岐数の増した多重分岐ブロック共重合体が得られたが、現段階では単独重合体の生成は避けられない。
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Research Products
(1 results)