1996 Fiscal Year Annual Research Report
共存イオン効果によるセルロース系コレステリック液晶の構造制御と電場応答機能の発現
Project/Area Number |
08651065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
西尾 嘉之 東京農工大学, 工学部, 助教授 (00156043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 悟隆 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (60251857)
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Keywords | セルロース誘導体 / 液晶 / 共存イオン / コレステリック構造 / 選択光反射 / 電場応答機能 |
Research Abstract |
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)の濃厚水溶液を対象として、無機塩の添加が液晶形成及び相構造に及ぼす効果を詳細に調べるとともに、電場印加によってイオン移動を起こさせ、選択光反射による呈色現象を外部制御する方法について検討した。得られた主な知見は以下の通りである。 1.HPC/塩水系の相挙動について 添加塩として5種のLi塩(LiSCN、LiI、LiNO_3、LiBr、LiCl)を主に使用した。また、カチオン種の比較のためにCa塩、K塩、Na塩なども用いた。 (1)HPC液晶のコレステリックセンスはイオンの共存によって影響を受けず、塩添加系においても純水系と同様に右巻きであった。 (2)コレステリックピッチは無機塩添加によって変化するが、特にカチオン種を一定にしておくと、添加アニオン種に鋭敏に依存して増加又は減少する傾向が認められた。このコレステリックピッチの変化の序列は、アニオンの「カオトロピックイオン効果」の序列と正負・大小関係において一致することが確認された。 (3)塩添加はHPC水溶液のLCST挙動をも大きく変化させるが、その際の白濁温度(曇点)の高低は、上述したアニオンのカオトロピックイオン効果の序列と一致するものであった。 2.電場印加による呈色変化について 白金電極をスペーサーにして透明ガラス板間に試料を挟み込む電場印加セルを試作した。HPC/水/Li塩系の液晶試料に電場を印加し、選択光反射による呈色状態の経時変化を見出すことができた。即ち、イオン伝導に応答してコレステリックピッチが変化するのを確認できた。
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Research Products
(1 results)