1997 Fiscal Year Annual Research Report
同符号荷電平板-微粒子間の超長距離静電相互作用に関する研究
Project/Area Number |
08651071
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
伊藤 研策 富山大学, 工学部, 助教授 (10192494)
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Keywords | 高分子微粒子 / 濃縮分布 / 静電相互作用 / 荷電平板 / 荷電棒 |
Research Abstract |
昨年度、荷電平板近傍における荷電微粒子の濃縮減少を調査した結果、同符号の荷電平板と微粒子は平板表面から約2mum以下の近距離において互いに静電的に反発し、より遠距離(2〜50mum)において引き合う力が作用していることが明かとなった。しかし、荷電平板と微粒子間の静電相互作用だけを考慮に入れて50mumにまでおよび濃縮分布を説明することは現実的ではない。そこで、濃縮分布発現機構における微粒子間静電相互作用の影響を調査する目的で、荷電棒近傍における微粒子濃度分布測定を行った。直径約70mumのガラス棒をレーザースキャン顕微鏡の焦点面内に設置し、濃縮領域内でBrown運動する微粒子の座標を測定した。各粒子間の距離を計算して動径分布関数を決定し、微粒子間静電相互作用を詳細に検討した。動径分布関数の測定に先立ち、ガラス棒表面近傍においてガラス平板傍で観察された濃縮現象と同じ現象が観察されるかどうかを観察するため、粒子濃度分布の添加塩濃度依存症を測定したところ、濃縮率が約2から徐々に減少する傾向が得られた。また、ガラス棒表面に強酸もとを末端に持つ高分子を吸着させて電荷数を増加したり、表面に電荷を持たないポリエチレン棒を用いた条件下で粒子濃度分布を測定したところ、棒表面の電荷が多いほど濃縮率が高く、棒に電荷がない場合には濃縮現象が見られなかった。これらの傾向から、同符号荷電棒-微粒子間にもガラス平板-微粒子の場合と同様な静電相互作用が働いていることが確認された。ガラス棒表面近傍の濃縮領域と、表面から100mum以上離れた領域において動径分布関数を測定したところ、濃縮領域では粒子間距離が約2.5mumの位置にピークが認められたのに対して、100mum以上離れた領域においてはピークが観察されなかった。また、濃縮領域と等しい濃度の分散液を調製し、ガラス棒の存在しない条件下で動径分布関数を測定したところ、ピークは観察されなかった。すなわち、ガラス棒の存在により任電微粒子間に静電引力が誘起れていることが推察される結果となり、この微粒子間静電引力が50mumにまでおよび濃縮分布を形成していることが判明した。
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Research Products
(1 results)