1996 Fiscal Year Annual Research Report
新北西太平洋ロランCチェーンの測位精度改善に関する研究
Project/Area Number |
08651093
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
柿原 利治 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (50114913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 佳則 東京水産大学, 水産学部, 助手 (80251685)
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Keywords | ロランC / 電波航法システム / 時間差 / 測位精度 / ディファレンシャルロランC / 双曲線航法 |
Research Abstract |
本年度は、測位精度の劣化が指摘されている相模湾を主たる調査海域として選び、時間差実測データをもとに新ロランCの測位特性やその精度を検討した。実測データは、東京での定点連続観測と、本学練習船を利用した相模湾における海上観測の二重の観測から取得した。海上観測では、湾内全域がカバーできるような観測線を設定し、そこを航走しながら計測した。また同時に、三浦半島の剣埼にあるDGPS用中波ビ-コン局からの疑似距離補正値信号を受信し、DGPS測位データも測定した。湾内のロランC測位精度を評価するにあたり、今回はDGPS測位データを基本として、これからのロランCの時間差や緯経度の偏位量をロランCの誤差とした。観測から得られたロランCの測位特性は次のようになる。(1)定点観測において、南鳥島X局の観測時間差に夜間にSN比の劣化に伴う10μsのサイクルスリップがみられたが、他のW、Y、Z局の時間差は昼夜を問わず安定しており、観測時間差の標準偏差はいずれの局も0.1μsであった。このことから、位置の再現性精度は高いと言える。(2)相模湾観測から得られた各局の時間差誤差の平均値は、W局0.8μs、X局-0.3μs、Y局2.4μs、Z局3.0μsであった。電波伝搬経路に陸上部分を多く含むY局(陸上伝搬距離518km)やZ局(同400km)に大きな誤差が見られ、相模湾では、W-X局の組み合わせによる位置誤差が平均で80.3mであり、X局の低い信号レベルの問題を除けば、測位精度の面では最も適した局の組み合わせであることがわかった。(3)今回の結果から、ロランC測位では局地的に同傾向の誤差が認められるし、位置再現の精度も高いので、ディファレンシャル方式による補正が測位精度の改善に有効であろうことが示唆された。次年度はディファレンシャル補正を実施する予定である。
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