1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08651095
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高木 健 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90183433)
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Keywords | 水面衝撃 / スラミング / 空気巻き込み / 尺度影響 |
Research Abstract |
本年度は主として、空気巻き込みを伴う3次元軸対称水面衝撃問題の解析を行なった。 昨年度までに、本モデルの巻き込み空気圧力及び水面変形を求める、理論及びその計算プログラムの作成は終了していたが、尺度影響を論じるための船底圧力分布及び、水面剥離の状況を精度良く計算するためには、新たな理論展開並びに数値計算法の開発が必要なことが分かった。 そこで、本年度は以下のことを行い、船底圧力及び水面剥離にいたる水面変形の精度良い算定が行なえるようにした。 1. 従来の変位ポテンシャルを用いた解析で求められた水面変位(主として自由表面と物体表面の交点の位置)を基に速度ポテンシャルを直接求め、そこから圧力分布を求める方法の理論構築と数値計算プログラムの作成を行なった。 2. 上記プログラム並びに従来の変位ポテンシャルを求めるプログラムの収束テスト(主として、空間分割数と時間分割数の収束状況の調査)を行い数学的に確証の持てる計算法を確立した。 3. 上記プログラムより物体表面上の流速分布を求めるとともに、流線追跡法により自由表面と物体表面の交点付近の流れの様子を求める手法の収束テストを行い計算法を確立した。 4. 2,3により上記計算プログラムで求められた圧力分布、流速分布を厳密解と呼ぶに相応しい程度まで計算精度を向上させた。 以上により信頼のおける数値計算プログラムが作成出来たので、それを用いて空気巻き込みの尺度影響を調査した。また、巻き込み空気内では水面が物体表面から剥がれる現象が起きるがこのときの流れの様子が理論的に求められたので、そのような流れのモデル化に役立てることが出来た。ただ、当初予定していた、実船の尺度影響推定法を構築するにはかなり大胆な仮定を置かなければならないことも分かったので、実用的かつ精度の良い推定法を提案するにはいたらなかった。
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Research Products
(1 results)