1996 Fiscal Year Annual Research Report
デイ-ゼル船排熱回収プラントのス-トファイア-の解析と信頼性向上に関する研究
Project/Area Number |
08651096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | 神戸商船大学 |
Principal Investigator |
西川 栄一 神戸商船大学, 商船学部, 教授 (90029124)
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Keywords | デイ-ゼル船 / ス-トファイア / 海難事故 / フィン付管 / 排ガスエコノマイザ / 外部汚れ / ドライアウト |
Research Abstract |
【平成8年度の成果】 1 ス-トファイア発生事故の調査分析 デイ-ゼル主機の排熱を、排ガスエコノマイザ(以下排エコという)で回収して蒸気をつくり、蒸気タービン発電を行なうなどさまざまな熱源として利用されているが、排エコの伝熱面はデイ-ゼル排ガス中に含まれるス-ト(その多くは未燃炭化水素)で汚され、種々の障害に悩まされる。とくに問題なのは堆積したス-トが燃焼し、ひどい場合には伝熱面がメルトダウンに至る、「ス-トファイア」と呼ばれる深刻な事故が生じることである。 11 ス-トファイア事故データを日本海事協会等の協力を得て集め、事故発生の特徴を分析した。 12 さまざまな因子が関係するが、とくに主機の運転状態、排エコ水循環条件、伝熱面の形状(フィン付き管)が大きく関係していることがわかった。 2 ス-トの性状、伝熱面の堆積状態の調査分析 フィン付き管に堆積したス-トがなんらかの原因で発火燃焼することが、実際に生じることがわかったので、デイ-ゼル排ガス中のス-ト、堆積ス-トを採取し分析した。 3 排エコの水循環設計条件の調査分析 排エコは、強制循環の並列水平管で構成され、しかも低圧なので水側がドライアウトしやすい。したがって水循環設計条件が重要なので、国内排エコメーカの協力を得て調査した。 4 ス-トファイアのシミュレーションモデルの構築と計算の実施 以上1〜3をもとに、ス-トファイアの計算機シミュレーションをおこなった。結果は実際のス-トファイアを非常にうまく再現していることが確認された。それでさまざまな条件で計算し、ス-トファイアの発生の過程を明らかにできた。 【次年度】 ス-トファイアの発生メカニズムが明かにされたので、伝熱管がメルトダウンする過程を分析し、対策法について検討する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Eiichi NISHIKAWA: "Mechanism of Soot-five of Exhaust Gas Economizer of Diesel Ship" Bulletin of MESJ. 22/2. 78-85 (1994)
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[Publications] 西川栄一、河村公平: "デイ-ゼル船排ガスエコノマイザのス-ト燃焼" 日本舶用機関学会誌. 28/6. 366-375 (1993)
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[Publications] 西川栄一: "排ガスエコノマイザプラント" 運輸省海技大学校, 51 (1995)