1996 Fiscal Year Annual Research Report
超大型浮体式海洋構造物の波浪中での弾性挙動に関する研究
Project/Area Number |
08651103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
柏木 正 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (00161026)
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Keywords | 超大型浮体 / 流力弾性 / スプライン関数 / ガラーキン法 / モード分解法 / 圧力分布法 |
Research Abstract |
本研究では、海上空港などを想定した超大型浮体式海洋構造物の波浪中での挙動を精度良く推定できるための新しい計算法の開発が目標である。浮体の平面寸法が数キロメートルにも及ぶので、相対的に入射波の波長は非常に短くなるが、喫水が浅いために剛性が小さく、ゴムマットのような弾性挙動をするのが特徴である。このような特徴を考慮でき、しかも短時間で精度良く計算するために、いくつかのアイデアを試みた。それらのまとめを以下に列挙する。 1.計算は三次元境界要素法を基本としているが、浮体による撹乱を表すための未知数として自由表面上の圧力分布を用いる、いわゆる圧力分布法を用いた。圧力分布は特に短波長域で複雑な分布形状をしていると考えられるため、高次要素である3次のスプライン関数を用いて圧力を表現した。この時、スプライン関数の係数が新たな未知数となるが、それを精度良く決定するためにガラーキン法を適用した。更に特異性を除去するために特異積分に対する解析解の適用、計算時間を短縮するための計算上の相似関係の積極的な導入などを行った。その結果、従来の計算法では絶対に不可能であった非常に短い波長に対しても、極めて精度の良い計算が相対的に少ない計算時間でできることを実証した。 2.弾性挙動の計算は、上記の圧力分布法のプログラムに簡単に組み込めるという点から、いわゆるモード分解法によった。すなわち、複雑な弾性挙動をいくつかの直交モード関数系の合成によって表し、各モード関数の大きさは、弾性平板の振動方程式を解くことによって決定する。短波長域ではモード数を多くしていくことが必要であるが、今回の計算では最高で1024のモード数まで計算した。これは従来の計算では考えられなかったような多さであるが、これで十分であるがどうかは、依然として何らかの方法で確認する必要があろう。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Kashiwagi: "A Calculation Method of Hydrodynamic Forces on a Shallow-Draft and Very Large Floating Structure" Proc. of Techno-Ocean ′96 Int. Conf. (Kobe). 2. 627-632 (1996)
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[Publications] M.Kashiwagi: "A B-Spline Galerkin Method for Computing Hydroelastic Behaviour of a Very Large Floating Structure" Proc. of Int. Workshop on Very Large Floating Structure(Yokosuka). 1. (1996)
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[Publications] M.Kashiwagi C.Furukawa: "A Mode-Expansion Method for Predicting Hydroelastic Behaviour of a Shallow-Draft VLFS" Proc. of 16th Int. OMAE Conf. (Yokohama). (1997)