1996 Fiscal Year Annual Research Report
イネ組織培養による欠失および挿入変異の育種的利用に関する研究
Project/Area Number |
08660002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
阿部 利徳 山形大学, 農学部, 助教授 (80202670)
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Keywords | 培養変異 / 高頻度再分化 / アミノ酸シークエンス / RAPD法 / AFLP法 / RLGS法 |
Research Abstract |
イネ組織培養によって生じる変異の解析を外部形態、二次元電気泳動によるタンパク質スポットの差異、およびDNA多型の面からアプローチした。 1)カルス段階で外部形態が顕著に異なり、旺盛な分化を示すカルスを選抜し、個体を再分化させ、次代の種子からカルスを誘導し、形態的特徴を調べたところ、選抜当代と同様に旺盛に茎葉原基を分化するカルスとなり、このような培養変異が後代に遺伝していることが確かめられた。但し、再分化2代目の種子を発芽させ、その幼植物の外部形態を比較した結果、ビリディスが分離し、高頻度突然変異以外の変異も生じていることが、明かとなった。 2)原品種カルスと高頻度分化突然変異カルスのタンパク質の二次元電気泳動を行った結果、突然変異カルスには5種のタンパク質スポットが欠損していることが明かとなった。現在、アミノ酸シークエンスによりこれらのタンパク質の同定を進めている。 3)DNAレベルでの変異の解析はRAPD法、AFLP法およびRAPD法を用いて行った。RAPD法では用いた60種の10merプライマーのうち3種のプライマーを用いた場合に多型が認められ、突然変異系統はバンドが消失する傾向にあった。AFLP法およびRLGS法によってもDNAのバンドあるいはスポットが複数異なるのが認められ、この解析に用いた培養変異では、ゲノムの複数箇所で変異が生じていることが示唆された。現在、どのような遺伝子が変異しているのか、同定を進めると共に、変異した遺伝子のクローニングを進めている。
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