1996 Fiscal Year Annual Research Report
倍数性コムギにおけるWaxy遺伝子の構造とその変異の解析
Project/Area Number |
08660011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
平 知明 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (40145818)
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Keywords | Waxy遺伝子 / 塩基配列 / 倍数体コムギ / 二倍体祖先種 |
Research Abstract |
研究実施計画に従って倍数体コムギと二倍体祖先種のWaxy遺伝子の解析を行っているが,倍数体コムギのWaxy遺伝子に関しては新たな技術を導入しなければならないので,予備実験の段階である.そこで本年度は,倍数体コムギがもつA,B,Dの3種類のゲノムに関して,それぞれのゲノムの二倍体祖先種の候補が報告されており,また,我々は既にWaxy遺伝子によってコードされたWaxyタンパクの一次構造を解析し,それに基づいて倍数体コムギの各ゲノムの二倍体祖先種を暫定的に決定している.その候補種であるTriticum monococcum (Aゲノム), T. urartu (A), Aegilops searsii (S), Ae. squarrosa (D)の4種の植物についてWaxy遺伝子の構造の解析を行った.イントロン領域の変異も研究の目的としているので,プライマーを設計し,PCRでゲノミックのWaxy遺伝子を増幅して塩基配列の決定を試みた.Waxy遺伝子の構造遺伝子は,イントロンを含めて約3,000の塩基数を予測しているが,これまでにT. urartuではその4/5,他の3種では3/4の塩基配列を決定した.Waxyタンパクのアミノ酸配列は,既に全長の約10%の配列を決定しており,それらと照合した結果,塩基配列を決定したDNAは目的とするWaxy遺伝子の構造遺伝子であることが確認された.これらの塩基配列を比較すると,イントロン領域はエキソン領域より変異が多く,エキソン領域にも変異はみられるものの高度に保存されているようである. 平成9年度は,二倍体植物種の全塩基配列を決定すると共に倍数体コムギの各ゲノムに存在するWaxy遺伝子の塩基配列を決定し,四倍体コムギと六倍体コムギの比較及び倍数体コムギと二倍体祖先種との比較を行い,研究を完了する予定である.
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