1998 Fiscal Year Annual Research Report
イネ花粉形成・成熟と冷温障害に関する細胞組織学的研究
Project/Area Number |
08660015
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
和田 富吉 名古屋大学, 農学部, 助教授 (20158702)
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Keywords | イネ / 花粉 / 形態形成 / 蛍光顕微鏡 / 光学顕微鏡 / 走査電子顕微鏡 / 不稔 / 冷温障害 |
Research Abstract |
1. 本年度にはこれまでの試験結果を踏まえながら、比較的新しく確立された光学顕微鏡、蛍光顕微鏡およびクライオ走査電子顕微鏡の方法を用いてイネの豹と花粉の発達の様相を探る一方、冷温による障害的な影響について解析しようとした。2. パルクの材料の蛍光顕微鏡観察により、葯における葉緑体の赤色の自家蛍光およびフルオステイン染色による葯壁の青色の蛍光、花粉外殻の黄色の自家蛍光、FDA染色による花粉のエステラーゼ活性の蛍光発色の観察を、それぞれおこなった。3.柱頭上での花粉の受粉から発芽にいたる過程の変化を、実体顕微鏡、蛍光顕微鏡およびクライオ走査顕微鏡で、それぞれ明確にした。4.花粉の発達および充実する過程を、準超薄切片法による光学顕微鏡、蛍光顕微鏡観察ならびに凍結割断法によるクライオ走査電子顕微鏡観察により把握した。5.穂ばらみ期後の冷温処理の影響として、葯の列開不良、花粉の未発達と成熟異常、柱頭への付着と花粉発芽数の減少傾向および種実発達初期における雌ずい内での幼胚の異常などを認めた。6.これまでの観察結果を総合的に考察し、研究成果を報告書としてまとめた。 なお本研究課題を行うに当たり、高性能かつ高解像の光学顕微鏡システム(オリンパスBX50およびPM30写真撮影装置)を講入したが、これらは上記の研究に大いに貢献するものであった。
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