1996 Fiscal Year Annual Research Report
ソルガム類の幼穂分化過程における高温遅延メカニズムの解明
Project/Area Number |
08660016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
中野 淳一 鳥取大学, 農学部, 助教授 (20032641)
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Keywords | ソルガム / 幼穂分化 / 温度 / 日長 / 高温遅延 / 交互作用 / 発育モデル |
Research Abstract |
わが国で栽培されている市販品種90品種を供試し、低温期(5月播種)と高温期(7月播種)に日長処理(有効日長10〜24時間)を行い、以下の結果を得た。 1.日長に反応しない非感光性品種は8品種と少なく、残りの大部分の品種は感光性品種であることが判明した。 2.感光性品種の出芽から幼穂分化までの幼穂分化日数は、10〜12時間の短日条件で最も短縮され、14時間以上の長日条件で長くなったが、感光性を示した全ての品種において16〜24時間日長で幼穂分化が確認された。このことより、わが国で栽培されているソルガム品種は長日による座止現象が起こらない相対的短日植物であるといえた。 3.一般に、幼穂分化日数は高温期に生育した場合に短縮されるが、供試品種の中には7月播種区(播種後1カ月の平均気温26.5℃)の幼穂分化日数が5月播種区(同17.9℃)より長くなる品種(高温遅延型)が存在し、日長と温度の交互作用が存在することが確認された。供試品種のうち高温遅延型に分類される品種は感光性品種の半数の40品種に達することが判明した。 4.高温遅延現象が発生する条件について、人工気象室を用いて温度と日長を組み合わせて検討した結果、240℃以上の高温と13時間以上の長日条件が重なると幼穂分化が遅延することが確認された。 5.本研究で明らかにされたソルガムの幼穂分化に及ぼす温度と日長の効果を反映した発育速度(DVR)を用いることにより、幼穂分化期と出穂期を予測する精度か大幅に改善されることを認めた。
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Research Products
(2 results)