1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08660023
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
松井 弘之 千葉大学, 園芸学部, 教授 (90081546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小原 均 千葉大学, 園芸学部, 講師 (40160931)
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Keywords | キウイフルーツ / 樹上成熟 / エセフォン / エチレン / ジベレリン |
Research Abstract |
1. エセフォン処理によるキウイフルーツ‘ヘイワード'果実の樹上成熟促進の年による効果の差異を検討するため、異なる年の10月中旬に200ppmおよび500ppmエセフォン処理を行った結果、糖度、果肉硬度および酸含量は、200ppm処理では処理約3週後にあたる11月上旬に可食の値に至らなかったが、500ppm処理では処理約2週後に可食の値となった。この年と以前の年の処理後一定期間の平均気温と日照時間を比較したところ、この年の平均気温は処理後低く、日照時間も短かったことから、200ppm処理による樹上成熟は処理後の気温と日照時間に左右されるものと推察された。一方、500ppm処理では年による差異はみられなかったものの落果が著しく多発することは再確認された。そこで以前に500ppmエセフォンと混用処理することにより落果が遅延される可能性が示唆されたGA_3を混用処理した結果、果実品質に影響することなく著しく落果を抑制したことから、この方法により安定生産が図れ、実際栽培技術として利用できる可能性が示された。 2. これまで500ppmエセフォンによる樹上成熟促進は、エセフォンから発生したエチレンによって自己触媒的な内生エチレン合成が誘導されたことに起因すると考えたが、収穫後にエセフォン処理した果実の追熟過程との比較や内生エチレン生成阻害剤であるAVGとの混用処理効果の調査を行った結果、処理の違いによってエチレン発生およびEFE活性の経時的変化の様相とレベルが異なっても果実品質にはほとんど差異がないことから、エセフォンから発生したエチレンが直接的に作用して可食状態にに至らせるものと推察した。しかし、GA_3との混用処理ではエチレン発生が著しく抑制されて落果が抑制されたことから、落果には内生エチレン発生の多少が影響を及ぼしている可能性があるものと考えられた。
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