1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08660031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
桝田 正治 岡山大学, 農学部, 教授 (90026617)
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Keywords | 雄性不稔 / 稔性回復 / ジベレリン / トマト |
Research Abstract |
雄性不稔を利用したF1種子生産において種子親の維持系統を必要としない二系採種法を確立するためには雄性不稔の稔性回復を人為的に誘起する必要がある。品種'ファースト'の雄性不稔突然変異を種子へのガンマ線照射により作出し、それらを花型と花粉崩壊ステージから大きく3タイプに分類し、各系統に対するジベレリンの稔性回復効果を検討した。 ジベレリンによる稔性回復はいずれのタイプにも認められたが、その効果は特に花粉崩壊ステージが早い(減数分裂期)Type-2で高く、最適濃度はGA3、GA4+7とも10mg/lであった。Type-2は雄ずいが萎縮するがジベレリンを処理すると雄ずいの伸長回復がみられ雌ずい長との差が小さくなるにつれて多くの稔性回復花粉を有する雄ずい割合も高くなった。ジベレリンで回復した花粉は人口培地上で発芽するが、その率は低く花粉管伸長速度も遅く、回復花粉を自家受粉しても着果しなかった。その後、正常系統の花粉を受粉してもわずかな種子しか得られないことが明らかとなり、Type-2は受精に際して雌ずい側にも問題があるものと考えられた。 一方、Type-1,-3は雌ずい側には問題なく1果実当たり200粒前後の種子が得られた。従って今後は、Type-1,-3も含めて温度、日長、植物ホルモン等の花粉稔性および種子稔性に及ぼす効果について検討する必要があると思われた。
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Research Products
(2 results)