1996 Fiscal Year Annual Research Report
有色野菜におけるアントシアニン生合成経路の解明に関する研究
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08660043
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Research Institution | Minami Kyusyu University |
Principal Investigator |
山口 雅篤 南九州大学, 演芸学部, 助教授 (10125180)
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Keywords | アントシアニン生合成 / アシル化アントシアニン / アシル化酵素 / シソニン / マロニルシソニン / 赤ジソ / パラ・クマロイルCoA / マロニルCoA |
Research Abstract |
赤ジソの葉には、主要色素としてシアニジン3-パラ・クマロイルグルコシド-5-グルコシド(シソニン、Cy3pCG5G)及びシアニジン3-パラ・クマロイルグルコシド-5-マロニルグルコシド(マロニルシソニン、Cy3pCG5MG)が含まれている。本研究では、これらのアシル化アントシアニンを生合成するアシル化酵素の特性調査を行い、これらの生合成経路の解明を試みた。 酵素活性を測定する前に、まず、基質となる色素及び活性有機酸の調製を行った。色素としてCy3G(クリサンセミン)、Cy3G5G(シアニン)及Cy3PCG5Gをクロマメ種皮、バラ花弁及び赤ジソの葉から次のようなクロマトグラフィーを用いて精製した。1)吸着型カラム(XAD7)、2)マスペ-パ-、(No.526)、3)分配型カラム(LH20)、4)分取型HPLC(ODS)。次に、活性有機酸としてマロニルCoA(M)は市販品を用い、パラ・クマロイルCoA(pC)は、Zenkらの方法に基づいて有機合成法で合成し、分取型HPLC(ODS)で精製した。その結果、両基質の精製系が確立された。さらに、得られた基質を組み合わせてアシル化酵素活性を測定した。その結果、次の様な反応において酵素活性が見出された。1)Cy3G→Cy3pCG、2)Cy3G5G→Cy3pCG5G、3)Cy3pCG5G→Cy3pCG5MG、しかし、次の反応では酵素活性は見出されなかった。1)Cy3G→Cy3MG、2)Cy3G5G→Cy3G5MG。従って、赤ジソのアシル化アントシアニンにおいては、次のような生合成経路が推定された。Cy3G→Cy3pCG and/or Cy3G5G→Cy3pCG5G(シソニン)→Cy3pC5MG(マロニルシソニン)。
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