1997 Fiscal Year Annual Research Report
植物ウイルス、ウイロイドの新しい遺伝子診断法の開発
Project/Area Number |
08660046
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
佐野 輝男 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (30142699)
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Keywords | 遺伝子診断 / マイクロプレートハイブリダイゼーション / ウイルス / ウイロイド |
Research Abstract |
(A)ホップ潜在ウイルス(以下HLV)を標的として、マイクロプレートハイブリダイセーション(以下MPH)に基づく遺伝子診断法の実用化上のキ-ポイントとなる検体試量調製条件の検討を行ない、さらELISA法との強度比較を行った。 1、ホップ葉から種々の方法でHLV-RNAの抽出を行いMPH法による診断を行った結果、まず生葉を用いた場合では、葉を0.2Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)-1%SDS-0.1%亜硫酸ナトリウムで磨砕、フェノール:クロロフォルム抽出、エタノール沈殿して、変性後、MPHに供することで充分な検出感度が得られることが分かった。一方シリカゲル乾燥した葉では、上記の方法では充分ではなく、磨砕液を60C、10分熱処理後、遠心分離で植物成分を除去し、ポリエチレングリコールでウイルスを沈殿濃縮した後、フェノール:クロロフォルム抽出、エタノール沈殿して、変性後、MPHに供することで充分な検出感度が得られることが分かった。 2、ウイルス純化試料及び上記の方法で調製したHLV-RNAを用いて、ELISAとの感度比較を行った結果、純化ウイルスを用いた場合で100〜1000倍、粗抽出液を用いた場合でも100倍以上、MPHがELISAより高感度であった。圃場より採集後シリカゲル乾燥で1年以上保存したホップの葉でも、上記の「熱処理-ポリエチレングリコール濃縮」により大幅に検出感度を上げることができ、ELISAでは検定困難な試料からMPHで高率にHLVを検出することが可能であった。 (B)昨年に引き続き、植物ウイルス、ウイロイド診断用プローブの開発を行ない、新たにウイロイドではカンキツウイロイド群の一つCVdIIIとキク矮化ウイロイド(CSVd)、ウイルスではメロンえそ斑点ウイルス(MNSV)、ホップモザイクウイルス(HMV)、ジャガイモYウイルス(PVY)のDIG標識RNAプローブを開発した。以上の結果本試験で作成したDIG標識RNAプローブはウイロイドでHSVd、CEVd、ASSVd、PBCVd、PSTVd、HLVd、CbVd1、GYSVd、CSVd及びCVdIIIの10種類、ウイルスではCMV、HLV、TuMV、WCMV、MNSV、PVY、HMVの7種類の合計を17種類となった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Teruo Sano et al.: "Transgenic potato expressing a double-stranded RNA-specific ribonuclease is resistant to potato spindle tuber viroid" Nature Biotechnology. 15. 1290-1294 (1997)
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[Publications] Teruo Sano and Akira Ishiguro: "Viability and pathogenicity of intersubgroup viroid chimera suggest possible involvement of the terminal right region in replication" Virology. 240. 238-244 (1998)