1996 Fiscal Year Annual Research Report
潜在性果樹ウイルスのゲノム不均一性と宿主パッセージ効果に関する研究
Project/Area Number |
08660047
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
吉川 信幸 岩手大学, 工学部, 助教授 (40191556)
|
Keywords | カピロウイルス / ASGV |
Research Abstract |
4種類の果樹(リンゴ、ニホンナシ、セイヨウナシ、ウンシュウミカン)からChenopodium quinoaあるいはNicotiana occidentalisに分離したカピロウイルス12分離株について、外被タンパク質遺伝子を含むゲノムの3'末端領域のRT-PCRによる増幅を試みた。リンゴステムグル-ピングウイルス(ASGV、P-209)に特異的な2種類のプライマーとカンキツタタ-リ-フウイルス(CTLV、Li-23)に特異的な1種類のプライマーを用いたところ、ほとんどの分離株でどのプライマーセットでもDNAの増幅が認められた。一部の分離株について増幅産物の塩基配列(ゲノムの3'末端から約1kb)を調べたところ、リンゴ、ニホンナシ、セイヨウナシの各分離株には塩基配列が異なる複数(2-4種類)のカピロウイルスが存在していた。これらの3'末端約1kbの塩基配列とASGV(P-209)やCTLV(Li-23)の塩基配列を比較すると、これまで分離されたカピロウイルスは塩基配列の異なる4つのグループ(グループ間の相同性は90.6-93.0%)に分類された。 以上の結果より、各種果樹類に感染しているASGVは、そのゲノムが不均一であることが明らかになった。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] H.Magome,N.Yoshikawa,et al.: "Molecular ariability of the genome of capilloviruses from apple,Japanese pear,European pear and citrus frees" Phytopathology. 87(印刷中). (1997)