1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08660077
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
櫻井 克年 高知大学, 農学部, 助教授 (90192088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 貢三 高知大学, 農学部, 助教授 (40193718)
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Keywords | 農業生態系 / 日本シバ草地 / 土壌溶液 / 環境水 / 荷電ゼロ点 / 草地の塾畑化 / 土壌硬度 / 自然肥沃度 |
Research Abstract |
豊かな環境保全機能をもつ自然生態系と人間の継続的な働きかけによって維持されてきた農業生態系を比較評価することを主な目的とした調査研究を始めた。本年度は、高知県において独自の形態の基に発達している日本シバ草地酪農圃場およびその周辺の自然林地において現地調査を行い、土壌・地形の記載を行うと同時に農家の聞き取り調査を行った。5月、9月、12月の3回にわたって、土壌硬度の測定、現場透水係数の測定、および分析用の試料採取を行った。 試抗断面の土壌試料の理化学性の分析は、物理性として土性、三相分布、飽和透水係数を、化学性としては交換性陽イオン、交換性アルミニウム・水素、陽イオン交換容量、可給態リン酸、全炭素・全窒素、pH(水・KCl)を、荷電特性としてはSakurai et al.(1988)に基づいて、変異荷電性の指標として荷電ゼロ点(STPT-ZPC)を、永久荷電性の指標としてσpを測定した。また、鉱物特性としては遊離酸化物の指標値としてTamm、DCB抽出を行い、鉄、アルミニウム、ケイ酸を測定するとともに、粘土鉱物の同定を行った。 土壌生態系のモニタリングを開始した。本年度の主な調査項目は、土壌系内の水分動態の解析・土壌溶液組成の解析である。シバ草地内外から採取した河川水や池の水と、採取した土壌試料の水抽出液に含まれるカチオンアニオンを高速液体クロマトグラフィ法と原子吸光法によって分析、定量した。 また、土壌の水抽出液に含まれる低分子有機酸の量および組成を解析するための評価法の確立を行った。 次年度は、これらの調査を継続すると同時に、土壌微生物・土壌動物などのモニタリングを開始し、土壌生態系全体を総合的に捉えるた評価を試みると同時に、これらの手法によって、土壌生態系がどこまで評価可能かを解析する予定である。
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Research Products
(1 results)