1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08660079
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
長谷川 功 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (40218441)
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Keywords | アルカリ土壌 / 塩基過剰 / 炭酸カルシウム / カルシウム / コマツナ / Artemisia, sp / 水溶性遊離カルシウム / 高カルシウム含量 |
Research Abstract |
世界の土壌の約40%を占めるといわれている石灰質土壌や塩類集積土壌は高pHに由来する鉄などの栄養重金属の不溶化によって植物が正常に生育できなくなる。そのため、こうした養分の欠乏ストレスに対する耐性機構の解明やその関連遺伝子の研究が盛んに行われ、養分欠乏ストレス耐性植物の育成が試みられている。しかし、こうしたストレスに対する耐性能付与だけではアルカリ土壌で生育可能な植物とはなり得ず、それには高pHに対する耐性能の付与も同時に行わなければならない。本研究は植物の持つ塩基過剰に対する耐性機構を解明による基礎的知見を得ようとするものである。そこで、通常の作物8科9種を用い、高Ca含有水耕液での栽培によって検討した結果、コマツナはCa過剰処理条件下でも生育抑制が比較的小さく、体内Ca含量もほとんど増加しないことを明らかにした。一方、中国・黄土高原の石灰質土壌で生育しているキク科植物であるArtemisia,spは、炭酸カルシウム8%を含有する土壌でも生育可能で、体内に高濃度のCaを含有(地上部は勿論のこと、特に根部の濃度が高い)することを見い出した。この両植物は異なるStrategyによる耐性を有するものと考え、両植物について体内Caの存在形態を比較したところ、コマツナは体内Ca濃度が低いにもかかわらず水溶性の遊離Caの割合が高く、また、Artemisia,spはCa含有率が高く、しかもその約40%が水溶性の遊離Caであるなど、両植物に共通して水溶性の遊離Ca含量が多いことを明らかにした。現在、両植物について高Ca条件下で発現するタンパク質の差異について解析を行っている。
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Research Products
(1 results)