1996 Fiscal Year Annual Research Report
ジャガイモそうか病多発土壌の特性解明と施肥改善による防除法の確立
Project/Area Number |
08660080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Takushoku University Hokkaidou Junior College |
Principal Investigator |
水野 直治 北海道文理科短期大学, その他部局等, 教授 (90229708)
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Keywords | ジャガイモそうか病 / 粉状そうか病 / アロフェン / 施肥法 / 土壌pH / 硫安 / 基盤整備 / 難溶性リン酸加里肥料 |
Research Abstract |
1.ジャガイモそうか病の多発土壌はアロフェン含有率の高い土壌地帯であり,同一土壌地帯では作土層よりその下の層で著しく高くなる.ほ場の基盤整備したところでは下層の土壌が作土層に混入し,アロフェン含有率を高めている.現在,ジャガイモそうか病の多発地帯となっている網走管内では20数年前にほ場の基盤整備を行なった地帯で,ジャガイモそうか病の発生が多くなった時期と一致する. 馬齢しょ栽培の従来の施肥法は3要素を全量作条に与える.しかしこれを硫安のみあるいはリン酸と加里を塊茎肥大領域から離して施肥することによって,土壌pHが3要素作条施肥より一時的に著しく低下し,ジャガイモそうか病の抑制に効果のあることが明らかになった.このためにはリン酸と加里を全面全層に施肥するかあるいは難溶性のリン酸と加里肥料を硫安と同じに全量作条施用しても同様な効果が認められた.この施肥法による病害の抑制はジャガイモそうか病のみならず,ジャガイモ粉状そうか病,あるいは象皮病にも有効であった.3.硫安のみを作条施肥した場合の土壌pH低下の現象は1試験地のみに認められたのではなく,実施した数ヶ所の試験地に共通して観察された.その巾はpHで0.3〜0.8の低下とかなり大きく変化し,このような現象の報告はこれまで見あたらず,またかなりの分野に応用可能と考えられる.
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