1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08660081
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Research Institution | Akita Prefectural College of Agriculture |
Principal Investigator |
高橋 正 秋田県立農業短期大学, 農学科, 助教授 (80132009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 敦 秋田県立農業短期大学, 農学科, 教授 (90073965)
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Keywords | 火山灰土 / 活性アルミニウム / アルミニウム溶解度 / 非アロフェン質アンディソル / アルミニウム-腐植複合体 / 交換性アルミニウム / アンディソル |
Research Abstract |
本研究の目的は,非アロフェン質の火山灰土壌を用いて,従来の土壌の鉱物を中心としたアルミニウムの化学を,鉱物と有機物の混合系の土壌に展開しようとするものである.行った実験は,(1)土壌の無処理試料と種々の方法(KCl,塩化銅,ピロリン酸塩,酸性シュウ酸塩溶液処理)でAlを除去した試料についての,酸性緩衝溶液または塩類溶液で放出される単量体Alの定量,および(2)土壌と0.05M塩化カルシウム溶液との平衡溶液の分析から得られるAl溶解度の決定である. 得られた結果は,(1)非アロフェン質アンディソルA層では酸性溶液によって多量のAlが放出されること,(2)放出されたAlの大部分は腐植複合体を形成するAlであること,(3)Alの放出は溶液のpHとイオン強度に大きく依存すること,(4)Al溶解度はギブサイトなどの水酸化Alの溶解度とは異なり,pAl/pHの傾きはAl(OH)_3鉱物のそれ(3.0)を大きく下回ること(pAl/pH=2.0-2.4),に要約された. また,非アロフェン質のAl-腐植複合体に富む土壌のいくつかでは,1MのKCl溶液による抽出法で交換性Alを厳密に評価していない場合があることが明らかになった.この1M-KCl抽出法は交換性Alを評価する方法として世界的に用いられている方法であるので,今後,本方法の適応性について十分検討する必要がある. 本研究および既存の研究から,交換性Alと他の活性Alの関係を検討した.その結果,交換性Alと腐植複合体Al量には密接な正の相関があることが明らかになった.これらのことから,Al-腐植複合体に富む非アロフェン質アンディソルA層のアルミニウムのダイナミックスには,鉱物の溶解沈殿反応の関与は小さく,腐植の陰荷電上でのHイオンとAlイオンの交換反応が大きく影響することが明らかとなった.
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Research Products
(1 results)