1997 Fiscal Year Annual Research Report
消滅危惧土壌を含めた土壌型に関するデータベース化とモノリス作成に関する基礎的研究
Project/Area Number |
08660082
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Research Institution | NATIONAL SCIENCE MUSEUM |
Principal Investigator |
平山 良治 国立科学博物館, 筑波研究資料センター, 主任研究官 (50124186)
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Keywords | 土壌型 / レッドデータ / モノリス / 土壌微細形態 |
Research Abstract |
本研究は、種々な土壌型に関する立地関係の情報の収集、特に消滅の危機にある低地の土壌型に関する情報の収集、つまりレッドデータブックの作成。土壌モノリスの作成に関する情報の収集、消滅の危機にある土壌を中心に各種の土壌型の土壌モノリスの収集、展示技術を収集し展示の可能性をさぐること。以上の基礎的な面の研究を目的とする。 今年度は昨年に続き、各種の土壌型が置かれている状況の情報を集めるために、ペドロジストを中心に昨年の結果の検討のためにアンケートを送り、さらに約50種の消滅の危機におかれている土壌に対する情報が集まった。これらの粗データを、昨年度までのデータベースに加えた。これらの情報は、様々な危機段階と土壌型が混ざり、その地点や消滅危惧の理由も様々である。それらをまとめると、大きく3種類にグループ化できた。第1は消滅の危機にある土壌群、第2は学術的に貴重な土壌群、第3は長年水田畑等で、特殊な試験を続けてきた試験地の土壌である。第1のグループに関しては、非常に早急に現地調査をし把握する必要がある。また学術的に貴重であり、消滅の危機にある土壌型もあり、残された時間は少ない。第2グループは、消滅の危機に直面してはいないが、保全の必要な土壌が多く含まれる。第3グループは国や、県の農業研究の方針が変更になり廃止の方向に進んでいるもので、長いものは戦前からの研究の累積があり、学術的にも貴重な土壌である。戦前からの履歴がはっきりしているために、環境関係の指標として使えるために、もっと多面的に対応する必要がありそうだ。これらの諸問題に検討を加えて整理し、消滅危惧土壌を中心とする粗データベースができた。 今年度は、北海道の農業構造改良による消滅の危機にある土壌、や岩手県、長野県駒ヶ岳を中心に断面モノリスの採取と消滅危惧の現状調査を行った(調査旅費、消耗品)。 調査研究の結果、相当の土壌型が、緊急な保全並びにモノリスを確保しなければならないことが明らかになった。
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