1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08660101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
牧 正敏 名古屋大学, 農学部, 教授 (40183610)
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Keywords | ガン抑制遺伝子 / モノクローナル抗体 / バキュロウイルス |
Research Abstract |
RECKは、最近、単離同定されたガン抑制遺伝子であり、ガン細胞の軟寒天中でのコロニー形成や、転移抑制作用をもつ。細胞外に分泌あるいは細胞膜上に存在すると思われる。本研究では,まず,RECKの生化学的性状を明らかにするために必要なモノクローナル抗体を作成することにした。 抗原として、RECK遺伝子の一部を大腸菌で大量発現させて精製したタンパク質を用い、マウスに免役した。免疫感作マウス脾臓細胞とマウスミエローマ細胞との融合を行い、ハイブリドーマを樹立した。RECKモノクローナル抗体産生ハイブリドーマをELISA法およびウェスタンブロッティング法を用いてスクリーニングし、2つの陽性クローンが得られた。しかし、用いたRECK抗原は、不溶性の封入体を形成したものであるため、正しいフォールディングや、正しいS-S結合をもたず、得られた抗体が未変性のRECKタンパク質を認識するかどうかの判定に用いるのは適切ではなかった。そこで、バキュロウイルスベクターを用いた培養昆虫細胞でのRECK遺伝子の発現システムを構築した。発現したタンパク質の分子量は、得られたモノクローナル抗体によるウエスタンブロッティングによって約10万と推定され、アミノ酸配列から推定される値によく一致し、糖鎖含量は少ないと思われる。分泌産物は有意に免疫沈降させることができず、得られた抗体はSDSで変性したRECKを認識していると思われる。現在、未変性RECKタンパク質を認識する抗体を得るため、大腸菌内でもフォールディングが起こると思われる領域のみを発現させ、これを抗原として免役し、新たな抗体を得ることを計画している。
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