1996 Fiscal Year Annual Research Report
γ-グルタミルトランスペプチダーゼをプロセスするプロテアーゼに関する研究
Project/Area Number |
08660106
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 秀之 京都大学, 農学部, 助手 (10202136)
|
Keywords | γ-グルタミルトランスペプチターゼ / γ-グルタミルトランスフェラーゼ / グルタチオン / プロセッシング / 翻訳後修飾 / 部位特異的突然変異 |
Research Abstract |
γ-グルタミルトランスペプチダーゼ遺伝子(ggt)は、SD配列に続き、25アミノ酸よりなるシグナルペプチド、365アミノ酸よりなる大サブユニット、190アミノ酸よりなる小サブユニットが1つのORFの中にコードされている珍しい構造をとっており、大腸菌のγ-グルタミルトランスペプチダーゼ(GGT)は哺乳類のGGTと同様、1本のポリペプチド鎖として合成された後、大小2つのサブユニツトにプロセスされると考えられた。塩基配列から求めた各サブユニットの分子量は精製したGGTの各サブユニットのイオンスプレーマススペクトルより求めた分子量と良く一致し、プロセッシングの過程でアミノ酸残基の欠落が起こっていないことがわかった。大腸菌のGGTはGln-390とThr-391の間がポストトランスレ-ショナリーに切断されて、マチュアーな酵素タンパクになると考えられた。そこで、部位特異的変異法により切断点付近のアミノ酸配列の重要性を検討したところ、391-TTH-393の配列がプロセッシングにクリティカルであることを見出した。これらの残基の変異株は大小サブユニットにプロセスしていない未成熟な酵素タンパクを蓄積し、酵素活性を持たなかったことから、プロセッシングの過程が酵素活性発現に必須の過程であることが分かった。これに対して、Gln-390はそれほど重要でないことが分かった。一方、切断箇所から遠く離れたArg-513とArg-571をAlaやGlyに置き換えた変異株でもプロセッシングが起こらないことを見出した。特にArg-571はC末端から10残基目であることから、プロセッシングは翻訳が終了し、タンパクのコンフォメーションがある程度できあがってから起こるのではないかと考えられた。
|
-
[Publications] Hiroaki Sakai: "A nobel protein structure:γ-glutamyltranspeptidase from E.coli K-12" Journal of Biochemistry. 120(1). 26-28 (1996)
-
[Publications] Hideyuki Suzuki: "Mapping,cloning,and DNA sequencing of pepB gene which encodes peptidase B of Escherichia coli K-12" Journal of Fermention and Bioengineering. 82(4). 392-397 (1996)
-
[Publications] Wataru Hashimoto: "Low temperature inducible γ-glutamyltranspeptidase of Escherichia coli K-12 Bioscience,Biotechnology and Biochemistry" Bioscience,Biotechnology and Biochemistry. 61(1). 34-39 (1997)