1996 Fiscal Year Annual Research Report
乳酸菌の細胞接着に関わる受容体タンパク質の解明に関する研究
Project/Area Number |
08660107
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 憲二 京都大学, 農学部, 助教授 (70109049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉置 尚徳 京都大学, 農学部, 助手 (20212045)
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Keywords | 乳酸菌 / 細胞接着 / 糖脂質 / 膜糖鎖 / 受容体タンパク質 / Lactobacillus casei / G_<A1> |
Research Abstract |
我々は腸内細菌のなかでもヒトの腸管内で腸内フローラを形成し、整腸作用などの有用な働きをすることが知られているLactobacillus属乳酸菌が、病原性細菌と同じように、細胞膜上に存在する糖脂質の糖鎖に結合することを見出している。そこで、本研究では糖脂質の糖鎖を認識するLactobacillus属乳酸菌の受容タンパク質について解析した。 Lactobacillus属乳酸菌がG_<A1>を初めとする中性糖脂質の糖鎖に結合することは、Lactobacillus casei菌体をウサギに免疫して得られた血清より精製した抗L.casei IgG抗体を用いたTLC免疫染色法によって確認した。このような中性糖脂質に対する受容体は乳酸菌の細胞表層にあると考え、それを検索するためにL.casei菌体をグアニジン処理して表層タンパク質画分を得た。この画分に中性糖脂質G_<A1>を添加した後、電気泳動を行って抗G_<A1>モノクローナル抗体を用いたウエスタンブロッティングを行ったところ、G_<A1>に結合するタンパク質を見出した。本タンパク質はおよそ16kDaの分子サイズを持つサブユニットからなる約160kDaのタンパク質であった。さらにこのタンパク質のN末端アミノ酸配列を調べたところ27残基までの配列を決定することができた。 本受容タンパク質の遺伝子のクローニングを目的として、L.caseiのDNAをSau3AIで消化し、10-15kbpの断片をCharomidベクターにつないだ後、in-vitroパッケージし、これを大腸菌DH5αに導入して、ゲノムライブラリーを作成した。N末端由来のオリゴヌクレオチドをプローブとしてスクリーニングを行ったところ、いくつかのポジティブクローンを得ることができた。さらに2つのクローンについて遺伝子の制限酵素地図を作成した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Yamamoto et al.: "Binding Specificity of Lactobacillus to Glycolipids" Biochem.Biophys.Res.Comm.228. 148-152 (1996)
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[Publications] K.Yamamoto et al.: "Destruction of Cholera Toxin Receptor on HeLa Cell Membrane Using Microbial Endoglycoceramidase" Arch.Biochem.Biophys.328(1). 51-56 (1996)
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[Publications] 山本 憲二: "エンドグリコシダーゼを利用したペプチドへの糖鎖の付加" 生化学. 68(11). 1713-1717 (1996)