1996 Fiscal Year Annual Research Report
新蛍光試薬TBMBを用いるリパーゼの立体選択性の解析
Project/Area Number |
08660143
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
目黒 煕 東北大学, 農学部, 教授 (30005590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤坂 和昭 東北大学, 農学部, 助手 (10201881)
西田 芳弘 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80183896)
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Keywords | ジアシルグリセロール / キラル分析 / 蛍光分析 / ベンゾジオキソ-ルカルボン酸 |
Research Abstract |
本年度は、動物、微生物起源の代表的なリパーゼについて、(a)合成トリグリセリドの加水分解、及び(b)カルボン酸とグリセリンまたは、モノグリセリドの逆合成反応により生成するジグリセリドおよびモノグリセリドの立体配置(R、S)及び、その光学純度TBMBを応用し、リパーゼの立体選択性を明らかにすること、及びこれに基づき、リパーゼをC-1加水分解型R(+)、及びC-3加水分解型S (-)に分類し、それぞれについて反応過程の違いを解明することを目的とした。 その結果、(1)トリアシルグリセロールを基質とした場合は、反応初期には高い光学活性ジアシルグリセロールを与え、反応の進行と共に急速にラセミ化し、加水分解反応と共にリパーゼによるラセミ化反応が進行することが明らかになった。(2)ラセミ化は基質によて異なり、反応速度の遅いトリベンゾイル体では高い光学活性を保持した。(3)細菌(Pseudomonas)以外の酵母、カビ、スイゾウのリパーゼは同じ光学活性体(Sn-3)を与えた。(4)モデル化合物シクロヘキサンジオールの場合、いずれも(S、S)体の加水分解を行った。 細菌リパーゼでは、アセチル誘導体のみ(R、R)を与え、今後は基質による同一酵素の立体選択性の変化について検討する必要がある。
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