1997 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質工学的手法により作製した蛋白質-多糖複合体の新規食品機能と構造
Project/Area Number |
08660160
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Research Institution | Yamaguchi Univeristy |
Principal Investigator |
加藤 昭夫 山口大学, 農学部, 教授 (00035114)
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Keywords | リゾチーム / 多糖化リゾチーム / ポリマンノツルリゾチーム |
Research Abstract |
本研究者はこれまでに蛋白質と多糖を化学的に結合させると蛋白質の耐熱性や乳化性などが著しく改変され、新規な食品機能を発現するようになることを報告してきた。本研究者は、この機能改変の分子機構を解明することを目的として、蛋白質工学的手法により、卵白リゾチームをモデルとして、酵母発現系で多糖化することに成功しているので、この系を用いて研究を行った。リゾチームcDNAを部位指定変異により活性中心から離れた分子表面(49位および19位)にN型糖鎖認識配列Asn-X-Thrを導入するように改変し、これを酵母発現ベクターに組込み、形質転換した酵母を用いて大量に培養し、培養液に分泌したグリコシル化リゾチームをカチオン交換樹脂(CM-トヨパール)に吸着させ、分離精製を行った。こうして得られたリゾチームはマンノース残基が約300個付加した多糖化リゾチームであった。この多糖化リゾチームを用いて蛋白質-多糖類複合体の高機能化(食品機能として重要な高乳化能)の分子機構を調べた。その結果、結合糖鎖長および糖類のタンパク質との結合数が機能に大きく影響することが明らかになった。また、多糖類を蛋白質から遊離させると機能が著しく低下することが示され、蛋白質と多糖の結合が機能発現に必須であることが確認された。これらの分子レベルでの情報は蛋白質-多糖複合体の分子設計に重要な情報を提供している。さらに、この研究の過程で蛋白質の多糖化がその抗原構造の低減化に有効であることが示され、現在検討中である。
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[Publications] H.Arima, H.R.Ibrahim, T.Kinoshita and A.Kato: "Bactericidal action of lysozyme attached with various sizes of hydrophobic peptides to the C-terminal using genetic modification." FEBS Letters. 415. 114-118 (1997)
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[Publications] H.Tanizaki, H.Tanaka, H.Iwata and A.Kato:"Activation of macrophages by sulfated glycopeptides in ovomucin,yolk membrane,and chalazae in chicken eggs." Biosci. Biotech. Biochem.61. 1883-1889 (1997)
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[Publications] Y.Shu, S.Nakamura, and A.Kato: "The role of polysaccharide-chain attachment to lysozyme in the excellent emulsifying properties of polymannosyl lysozyme." Nahrung. 42. 67-69 (1998)
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[Publications] 加藤昭夫: "多糖修飾によるタンパク質の機能改変" 日本農芸化学会誌. 71. 608-611 (1997)