1996 Fiscal Year Annual Research Report
クロレラの耐凍性発現遺伝子の導入による耐凍性パン酵母の作出
Project/Area Number |
08660164
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
本城 賢一 九州大学, 農学部, 助手 (00264101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 敬久 九州大学, 農学部, 助教授 (70190816)
波多野 昌二 九州大学, 農学部, 教授 (30038260)
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Keywords | クロレラ / 酵母 / 耐凍性 / LEA蛋白質 |
Research Abstract |
1.クロレラの耐凍性獲得時に誘導され,LEA(Late Embryogenesis Abundant)蛋白質をコードするhiC6遺伝子をプロモーター活性の異なる3種類のベクター(pYES2;gallプロモーター,pYCDE;adhプロモーター,pTG887;pgkプロモーター)にサブクローニングし,実験酵母(Saccharomyces cerevisiae INVSc)に導入した。その結果,LEA蛋白質の発現量はgallプロモーターを持つpYES2ベクターを用いた場合に最も多かった.さらに,0.5℃/minの凍結速度で,-20℃,24時間凍結することにより耐凍性試験を行ったところ、LEA蛋白質発現酵母の生存率は非発現酵母と比べ,約3.3倍(20%から66%)に高められた. 2.耐凍性の異なる強化を目的にして、耐凍性獲得に関与していると考えられるクロレラのG6PDH遺伝子と脂質の不飽和化酵素遺伝子の単離を試みている.G6PDH遺伝子については植物で唯一単離されているポテトのG6PDH遺伝子を譲り受け,それをプローブに用いて,現在までに1.2×10^5個のcDNAクローンをスクリーニングしたが,目的のクローンは得られていない. そこで,cDNAとgenome DNAの両方を用い,クローニングを進めている.さらに,本遺伝子の単離と並行して,ポテトのG6PDH遺伝子をプロモーター活性の最も高いpYES2ベクターに組込み,実験酵母への導入を試みた.本遺伝子の発現はまだ確認できていないものの,この導入により,耐凍性は約10%高められた.また,不飽和化酵素遺伝子の単離はまだ成功していないものの,G6PDH遺伝子の単離と並行して研究を進めている.
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