1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08660166
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
中山 勉 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教授 (50150199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 啓 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助手 (10237935)
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Keywords | plant polyphenols / cultured cells / animal cells / flavonoid / quercetin / liposome / rutin / antioxidant |
Research Abstract |
1.ポリフェノールの酸化還元電位 四種類の桂皮酸誘導体の(1)酸化還元電位、(2)還元速度、(3)ヘム蛋白質と過酸化水素による脂質過酸化反応に対する抗酸化効果(本年度論文として発表)を調べたところ、すべての項目にわたって、カフェ酸>フェルラ酸>p-クマル酸>桂皮酸の順に効果を示した。これはポリフェノールの生体内での抗酸化効果が電子供与性に起因していることを示唆している。 2.植物ポリフェノールのリポソームへの取り込み (本年中に論文として発表される予定の)リポソームを用いた植物ポリフェノールの生体膜への親和性を調べる方法を活用し、特にフラボノイド(ケルセチン)やその配糖体(ルチン)について調べた。その結果、親和性はアグリコンが最も高く、つく糖の数によって急激に低下することが判明した。したがってこの方法はポリフェノールの細胞内動態を推定する上で有効である。 3.腸管上皮細胞におけるポリフェノールの作用 腸管上皮細胞の特徴を持つヒト結腸癌由来細胞株Caco-2を用いて、ポリフェノールのうちルチンとケルセチンの取り込みとその細胞内代謝を調べた。細胞の粘膜側にポリフェノールを加え一定時間インキュベートした。細胞を磨砕し、有機溶媒で抽出されるポリフェノールを電気化学分析器で検出した。その結果、リポソーム系と同様にケルセチンのみ細胞内に取り込まれることが判明した。磨砕後、抱合体を加水分解する酵素で処理すると、ケルセチンの量が増加することから、ポリフェノールは肝臓だけでなく腸管上皮細胞内でも抱合体に変換されることが初めて明らかになった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Nakayama et al.: "Lipid peroxidation in linokic acid micelles caused by H_2O_4 in the presence of my oglob." Biosci.Biotech.Biochem.61・5. 817-820 (1997)
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[Publications] T.Nakayama et al.: "Affinity of antioxidative polyphenols for lipid bilayers evaluated with a liposome system" Biosci.Biotech.Biochem.(in press).