1997 Fiscal Year Annual Research Report
地方都市の発展と都市近郊林の保全に関する基礎的研究
Project/Area Number |
08660175
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
内藤 健司 宇都宮大学, 農学部, 教授 (50015872)
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Keywords | 都市化 / 人口圧 / 森林面積 |
Research Abstract |
栃木県内49市町村について、1960年の世界農林業センサスとそれ以降5年毎の栃木県統計年鑑から人口、市町村面積、林野面積、産業別就業者数に関するデータを抜き出し、人口密度と住人一人当りの林野面積の関係を調べた。 人口密度の増加に従って一人当りの林野面積は減少する傾向が一般的に認められるが、その減少の仕方にはいくつかのパターンが認められ、栃木県内49市町村は全部で10のグループに分類された。なお、一人当りの林野面積の減少を表現する関数としては、指数関数よりもべき乗式の方が当てはめ誤差が少なかった。 次にこれら10グループに分けられた各市町村に関して、その地理条件、主要交通網からの距離で測られた立地条件、産業別就業者数の割合等を調べた結果、グループ間ではそれぞれこれらの条件が異なっていること、グループ内の市町村間ではこれらの条件がほぼ同じであることがわかった。 今回の研究の結果、グループ毎に異なる減少曲線のパラメータを用いて、将来の人口増加による林野面積の減少予測が可能となり、また、他府県における市町村の地理条件や社会・経済条件がわかれば、その市町村の人口増加に伴う林野面積の減少を予測できる可能性が出てきた。 10個のグループの中には、どのグループにも属さない単独の市町村をまとめたものがあるが、その中には一度人口密度が減少し、その後再び人口密度が増加すのに従って一人当り林野面積が減少するケースが認められた。グラフに表示するとローマ字のCのような軌跡を描くが、このグループに属する市町村の解析は最終年度に当たる次年度に行う予定である。
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