1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08660187
|
Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岩井 吉彌 京都大学, 農学研究科, 教授 (40093190)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 幸司 京都大学, 農学研究科, 助教授 (90199787)
宮崎 猛 京都府立大学, 農学部, 教授 (50115945)
|
Keywords | グリーンツーリズム / エコツーリズム / 地域経済 / 農林業 / ヨーロッパ |
Research Abstract |
農山村振興と国民の余暇時間の増大への対応として、我が国でもグリーンツーリズムが注目されはじめている。グリーンツーリズムはヨーロッパで始まったもので、農家民宿での長期滞在を意味するが、日本で展開しはじめているグリーンツーリズムは、より広く多様な内容をもっている。本研究では、北海道旭川市・富良野市・美瑛町・千葉県三芳村、長野県阿智村、石川県能登地域、京都府美山町、兵庫県八千代町、鹿児島県熊毛郡屋久島、沖縄県竹富町西表島に関して、実態調査及び文献等資料収集を実施した。主な調査地及び結果は次の通りである。 北海道では農家民宿がファームインの名で展開している。これは、観光ルートの一つの宿泊先として位置づけられており、短期滞在が圧倒的に多く、ヨーロッパのグリーンツーリズムとは大きく違うことが明らかとなった。ヨーロッパでは、農業生産の維持がグリーンツーリズム展開の大前提になっていることを考えると、北海道の場合は、農業生産の今後に不安を残していることが一つの課題である。京都府美山町では、グリーンツーリズムの展開が、村づくり運動、都市と農村の交流、農村住民のビジネスという3条件を持っていることがわかった。屋久島及び西表島では、エコツーリズムの名で、地域の森林資源を活かした観光が展開している。基本的には短期滞在客がほとんどである。林業生産は大きく後退ないしは中止されており、農林業との関連は余り見られないことが明らかになった。
|
-
[Publications] 岩井吉彌: "北海道におけるグリーンツーリズム-ヨーロッパとの比較考察-" 京都大学農学部演習林報告. 69. 68-78 (1998)
-
[Publications] 宮崎 猛: "日本グリーンツーリズム(人と地球をいかすグリーンツーリズム)" 学芸出版社(印刷中), (1998)