1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08660190
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
金子 信博 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (30183271)
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Keywords | 土壌動物 / 物質循環 / 土壌マイクロコズム |
Research Abstract |
島根大学附属三瓶演習林のアカマツ・コナラ林に固定調査地を設定し、次のような調査を行った.1.非破壊マイクロコズムからの動物排除法の検討:森林土壌の層構造をそのまま保持して,土壌生物の制御を行うために調査地より土壌コアを採取し,土壌生物の除去法を検討した.電子レンジとドライアイスを用いてそれぞれ土壌小型節足動物を除去する方法を比較し,ドライアイスを用いたほうが土壌の水分環境への影響が少なく,方法としては優れていることを明らかにした.2.トビムシを用いたマイクロコズムの作成:非破壊コアより土壌動物を上記の方法で除去し,飼育して増殖させたトビムシ(Folsomia candida)を導入して,菌食性動物が1種しかいないマイクロコズムを作成した.炭酸ガスの発生・土壌水への栄養塩類の流出を測定するシステムを大学内のスギモデル林分内に作り,動物の摂食がマイクロコズム中の物質の動きに与える影響をモニターした.現在のところ処理間の違いは認められていない.3.大型土壌動物が土壌生態系に与える影響:調査地で得られたババヤスデの1種(Parafontaria sp.)を用いてマイクロコズムを作成し,ヤスデによる土壌微生物の摂食が微生物バイオマスを減少させる一方で微生物を活性化させ,土壌からの炭酸ガスおよび栄養塩類の放出を増加させていることを明らかにした.
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