1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08660209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
目黒 貞利 宮崎大学, 農学部, 助教授 (50112321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河内 進索 宮崎大学, 農学部, 教授 (00040858)
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Keywords | シイタケ / 子実体誘導機構 / チアミン / ペプトン・グルコース液体培地 / チアミン二リン酸エステル |
Research Abstract |
ペクトン・グルコース液体培地に酵母抽出物を添加することにより、シイタケ子実体が形成されることを我々は見い出した。さらに、酵母抽出物中に含まれるシイタケ実体誘導物質の1つがチアミンであることもすでに明らかにした。本研究では、チアミンによるシイタケ子実体誘導機構を明らかにすることを目的に、シイタケのチアミン生合成能の有無、およびチアミンの培地からの取り込みについて検討した。 1.チアミンを完全に除去したペクトン・グルコース液体培地にシイタケ菌を接種し、同培地を用いて継代培地を繰り返した。その結果、1回目の継代ではチアミンを添加した場合と菌糸の成長に差は見られなかったが、2回目には成長が抑制され、3回目には成長が停止した。これにより、シイタケにとってチアミンは子実体形成のみならず菌糸成長にとっても不可欠要素であること、またシイタケにはチアミン生合成能力がなく外部から取り込む必要があることが明らかとなった。 2.チアミンを添加したペプトン・グルコース液体培地にシイタケ菌を接種し、温度25℃、光照射条件下で所定の期間培養し、シイタケ子実体を形成させた。その培養中の一定期間ごとに、無作為に培養物を抜き出し、培地中および菌体内のチアミンを分析した。その結果、培地中の遊離型チアミンは培養の初期に急速に減少し、安定期に入る前の対数成長期の後半にほぼ完全に消失することが明らかとなった。菌体内に取り込まれたチアミンは培養初期には大部分が遊離型で存在していたが、その後チアミン二リン酸エルテルの割合が増加していき、原基成期に最大となった。その後三リン酸エステルが増加する傾向が見られた。今後はシイタケの原基および子実体形成とチアミンリン酸エステルの生合成との関係について検討する。
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