1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08660210
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Research Institution | KYOTO PREFECTURAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
梶田 煕 京都府立大学, 農学部, 教授 (90046467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 浩之 京都府立大学, 農学部, 講師 (80192392)
今村 祐嗣 京都大学, 木質科学研究所, 助教授 (70151686)
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Keywords | スギ / フェノール樹脂 / 寸法安定性 / 低分子量 / 材色 / 耐朽性 / 抗膨潤能 / 耐候性 |
Research Abstract |
pHが中性(6.7)とアルカリ性(10.3)と異なるが、分子量分布がほぼ同じ低分子量(数平均分子量:約300)のフェノール樹脂を合成し、スギ材に含浸・硬化させて寸法安定性について検討した。その結果、処理後のかさ効果の値は両樹脂間で差異は認められず、重量増加率(WPG)が約40%で12%となること、アルカリ性樹脂は溶液濃度の増加とともに材色が暗褐色となるが、中性樹脂の場合はほぼ無処理材に近い材色をしていること、WPG30%の試験片の吸湿率および体積膨張率に無処理材の約1/2となること、抗膨潤能はWPGが約30%までは急激に上昇して約60%に達し、pHの差異は認められないこと、吸水処理を2回繰り返しても抗膨潤能に差異は認められないことなどを明らかにした。また、同じWPGでは樹脂の分子量が小さいものほどかさ効果が大きく、また抗膨潤能も大きい。屋内、屋外で太陽光のみあたる場所、屋外の3カ所で暴露した場合、無処理材の色差ΔEは約1カ月で増加し、明度L*は低下するが、それ以後は一定となる。フェノール樹脂含浸処理材のΔEはやや低下、L*はやや大きくなる傾向があるが、pHの影響は認められない。屋外暴露では無処理材の彩度c*が暴露時間が長くなるとともに大きく低下し、材面は灰色となる。フェノール樹脂含浸処理材のΔE、L*は暴露時間が長くなってもほとんど変わらず、またc*の低下割合もかなり小さい傾向がある。 無処理材の腐朽試験による重量減少率は約50%であるが、低分子量フェノール樹脂処理材の割合はほとんど重量減少がみられず、pHによる影響も認められない。 数平均分子量が290のメタブロモフェノール樹脂を合成して木材に含浸・硬化させた試料についてX線マイクロアナライザー(EPMA)により検討した結果、3%濃度で厚壁の晩材仮道管の壁全体にわたって低分子量樹脂が分布していることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 古田,裕三: "膨潤状態における木材の熱軟化特性(第2報)熱軟化特性の異方性" 日本木材学会誌. 43. 16-23 (1997)
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[Publications] 蘇,文諭: "ホウ酸およびリン酸混合メラミンの表面処理によるストランドボードの難燃性能の向上" 日本木材学会誌. 43. 75-81 (1997)
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[Publications] Hiroyuki,Yano: "High Strength Plastic-like Composites from Hardboard" Holzforschung. 51. 287-288 (1997)
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[Publications] Hiroyuki,Yano: "Materials for guitar plates made from sustainable forest resources" the Journal of the Acoustical Society of America. 101. 1112-1119 (1997)
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[Publications] 屋我 嗣良 編: "木材科学講座12 保存・耐久性" 海青社, 224 (1997)
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[Publications] 今村 祐嗣 編著: "建築に役立つ木材・木質材料学" 東洋書店, 348 (1997)