1996 Fiscal Year Annual Research Report
β-カロチン強化ワムシによる幼若種苗の抗ウイルス性亢進に関する研究
Project/Area Number |
08660234
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
橘 勝康 長崎大学, 水産学部, 助教授 (20171712)
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Keywords | ワムシ / β-カロチン / 脾臓リンパ球 / 幼若化 / 稚魚 |
Research Abstract |
本計画では幼若種苗の免疫機能の測定方法を種々の養殖種苗を用いて確立するとともに、幼若種苗に対する効果的な生物餌料であるワムシにβ-カロチンを強化し、このワムシを用いて種々の養殖種苗を生産し、β-カロチンの幼若種苗に対する免疫増強効果の検討を行うことを目的とした。本年度はβ-カロチン強化ワムシによる幼若種苗の抗ウイルス性を検討するため、卯化直後の稚魚の初期餌料としてのβ-カロチン強化ワムシの作成方法の検討と体長10mm以下の幼若種苗の免疫防御機能の測定方法の検討を行い以下の結果を得た。 1.養殖における初期生物餌料であるワムシをβ-カロチンで強化するための、β-カロチン懸濁液を種々の基材で整調した。その結果、魚油にβ-カロチンを溶解したマイクロゼラチンカプセルの安定性がもっとも良好で、保存容器内を窒素置換し4℃で約4週間安定であった。 2.上記1で作成したβ-カロチン懸濁液でワムシを培養し、ワムシ体内へのβ-カロチンの取り込みと体内保存のための最適培養方法を検討した。その結果、室温(20〜25℃)で3〜5時間の培養がワムシの体内カロチノイド量の点で最も良好であった。 3.イシダイ・ヒラメ・トラフグ・マダイ等の幼若種苗より脾臓リンパ球を調製し、マイト-ゲン(コンカナバリンA,フィトヘムアグリチニン,LPS等)刺激を行い、アラマ-ブルーによる比色で測定し、幼若種苗に対する免疫機能測定の簡便な方法の検討を行った。その結果、脾臓より調製された細胞は赤血球を除くことなく本測定法に使用可能で、マイト-ゲンはコンカナバリンA(100μg/ml),フィトヘムアグリチニン(20μg/ml)が最も適当であった。
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