1997 Fiscal Year Annual Research Report
β-カロチン強化ワムシによる幼若種苗の抗ウィルス性亢進に関する研究
Project/Area Number |
08660234
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
橘 勝康 長崎大学, 水産学部, 助教授 (20171712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 研治 長崎大学, 水産学部, 教授 (10039737)
萩原 篤志 長崎大学, 水産学部, 教授 (50208419)
槌本 六良 長崎大学, 水産学部, 教授 (20080525)
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Keywords | β-カロチン / 種苗 / ワムシ / 幼若化 / リンパ球 / ウイルス感染 |
Research Abstract |
β-カロチン強化ワムシによる幼若種苗の抗ウィルス性を検討するため、以下のように検討を行った。 1.ワムシをβ-カロチンで強化するため、β-カロチン懸濁液を種々の基材で整調した。その結果、魚油にβ-カロチンを溶解したマイクロゼラチンカプセルの安定性がもっとも良好で、保存容器内を窒素置換し4℃で約4週間安定であった。 2.上記1で作成したβ-カロチン懸濁液でワムシを培養し、ワムシ体内へのβ-カロチンの取り込みと体内保持のための最適培養方法を検討した。その結果、室温(20〜25℃)で3〜5週間の培養がワムシの体内カロチノイド量の点で最も良好であった。 3.幼若種苗より脾臓リンパ球を調整し、マイト-ゲン刺激を行い、アラマ-ブルーによる比色で測定し、幼若種苗に対する免疫機能測定の簡便な方法の検討を行った。その結果、脾臓より調整された細胞は赤血球を除くことなく本測定法に使用可能で、マイト-ゲンはコンカナバリンA(100μg/ml)、フィトヘムアグリチニン(20μg/ml)が最も適当であった。 4.β-カロチン強化ワムシで種苗生産を行い、生産した幼若種苗の脾臓リンパ球の幼若化反応を測定した。その結果、β-カロチン強化ワムシで飼育した種苗は、通常ワムシ群に比較して高い生存率を示した。また、β-カロチン強化群の脾臓細胞は対照に比較して高い幼若化能を示し、ウイルス感染等に対して高い免疫防御能を示すと考えられた。
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