1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08660236
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
飯田 貴次 宮崎大学, 農学部, 助教授 (70159557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
延東 真 宮崎大学, 農学部, 助教授 (80128355)
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Keywords | 好中球 / NADPH酸化酸素 / 活性酸素 / respiratory burst / シトクロームb558 |
Research Abstract |
ウナギ好中球を利用し、まず、respiratory burst時に産生される活性酸素が実際に殺菌に利用されているかを調べた。各種の活性酸素消去剤による活性酸素の殺菌活性の低下により判定したところ、ウナギ好中球の酸素依存性殺菌活性には過酸化水素が重要であり、他の活性酸素種はほとんど役立っていないことが明らかとなった。さらに、サイトカラシンB処理により好中球の食胞形成を阻害すると、殺菌活性が低下し、またカタラーゼ(過酸化水素の消去剤)による阻害効果がみられないことから、好中球の酸素依存性殺菌活性には食胞の形成が必須であることが示された。以前の研究によりウナギ好中球のrespiratory burst時の過酸化水素産生量は平均12.45【plus-minus】0.85nM/10^7細胞/分であることが判っており、食胞内での過酸化水素濃度は数分以内に500μMに達すると計算され、過酸化水素だけで十分な殺菌があるものと考えられた。哺乳類で知られているシトクロームb558(NADPH酸化酸素の1要素)のアミノ酸配列の中から150〜172残基と550〜569残基を合成し抗体を作成した。この2つの抗ペプチド抗体のうち後者が特異的に反応することから、この抗体を使用して魚類好中球でのシトクロームb558をイムノブロットにより調べた。その結果、ウナギおよびコイの好中球では分子量9〜10万の少々広い反応がみられ、これは対照として用いたヒト好中球とほぼ同じ分子量域であった。しかし、テラピアの好中球では他と異なり分子量15万の領域で反応が認められた。550〜596残基の部分は活性酸素産生にとって必須な部分であることが報告されており、魚類でも同様な部位が保存されいることが明らかとなった。しかし魚類によりNADPH酸化酵素全体の大きさが異なる可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)