1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08660236
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Research Institution | Miyazaki University |
Principal Investigator |
飯田 貴次 宮崎大学, 農学部, 助教授 (70159557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
延東 真 宮崎大学, 農学部, 助教授 (80128355)
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Keywords | ウナギ / 好中球 / NADPH酸化酵素 / 活性酸素 / シトクロームb558 / respiratory burst |
Research Abstract |
ウナギ好中球のrespiratory burstにおいて産生される活性酸素であるスーパーオキシドおよび過酸化水素の量比を正確に測定したところ、2:1であった。また、消費される酸素量とスーパーオキシド産生量との比は1:1であった。この三者の量比は哺乳類好中球における報告と一致し、ウナギ好中球においてもNADPH酸化酵素が正確に機能していることが証明された。 哺乳類の好中球に存在するNADPH酸化酵素の1要素であるシトクロームb558が、ウナギ好中球においても存在することが抗ペプチド抗体(ヒト好中球シトクロームb558アミノ酸残基550-569に相当する合成ペプチドを抗原として作成)から証明されたことから、ウエスタンプロット法によりさらに詳しくウナギ好中球シトクロムb558分子量を検討したところ、分子量80-110kDaに特異的なブロードバンドが検出された。この分子量領域は対照として用いたヒト好中球のシトクロームb558分子量領域と一致した。ブロードにバンドが検出されたのは、シトクロームb558に糖鎖が結合しているためと考えられた。次にこの抗体の結合部位を蛍光抗体法により検討した。この抗体は好中球の膜表面の物質とは反応せず、界面活性剤トリトンXで処理し膜透過性を高めることにより、陽性反応が認められたことから、抗体の結合部位は細胞室内に存在するものと考えられた。この存在様式はヒト好中球における報告と一致し、ウナギ好中球のシトクロームb558はその存在様式においても、哺乳類と非常に類似していることが明らかとなった。
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