1997 Fiscal Year Annual Research Report
水管理の異なる低平地水田地帯が周辺の水質環境に与える影響
Project/Area Number |
08660281
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
工藤 明 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (10091604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川越 信清 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (00003434)
泉 完 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (60132007)
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Keywords | 循環灌漑 / 反復利用 / 水田水管理 / 水管 / 流出負荷量 / 不耕起栽培 / 慣行田 |
Research Abstract |
平成9年度は地区内反復利用率が高い青森県津軽地域の低平地水田地帯を中心に、秋田県大潟村の大区画水田(不耕起栽培と慣行栽培)における水管理の実態を調査した。津軽地域では閉鎖型循環灌漑地区である平滝地区を選定し、代かき前の5月初めから10月末まで調査を行った。記録計の関係で基本的には週1回の調査(降水量、流量、水質)であるが、降雨時には随時現地に出掛け、採水を行った。その結果は以下のとおりである。 1、平滝地区は代かき・田植期、中干し後に多くの用水を必要とするが、反復利用をするためのポンプ容量は規制されているため十分の水量は確保できない。 2、地区内からの反復利用量は全用水量の71%、全排水量の75%となっており、400ha規模の水田地帯では全国的にも極めて高い再利用率である。 3、代かき・田植期や中干し期に排水路の水質は悪化するが、地区内反復利用率の高い平滝地区は地区外への排水量が小さいために、掛流し水田地帯に比べると排水河川に与える負荷量が少ない。 4、降雨水質や降雨時の流出負荷量については、さらに調査を行わなければならない。 5、秋田県大潟村の大区画水田における慣行田では代かき・田植期に用水量が最大となるが、不耕起栽培田では半分以下で流出量も少ない。 6、不耕起栽培田では6月以降の消費水量が大きく、灌漑期全体では慣行田に比較するとやや不耕起栽培田の方が大きい値となるが、ほぼ平均化されているため灌漑施設の規模を縮小できるもの考える。
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