1998 Fiscal Year Annual Research Report
水管理の異なる低平地水田地帯が周辺の水質環境に与える影響
Project/Area Number |
08660281
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
工藤 明 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (10091604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 完 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (60132007)
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Keywords | 循環潅漑 / 反復利用 / 水田水管理 / 水質 / 流出負荷量 / 不耕起栽培 / 慣行田 |
Research Abstract |
平成10年度は地区内反復利用率が高い青森県西津軽地域の低平地水田地帯(木造町平滝地区)と北津軽都金木町にある弘前大学農学生命科学部の実験圃場(不耕起栽培田と慣行田)における水管理の実態を調査した。定期調査は週一回、代かき前の4月下旬から11月上旬まで行ったが、降雨時には随時現地へ出掛け流量観測と採水を行った。その結果は以下のとおりである。 1、 平成10年度の灌漑期は平年と比べ、降雨量が約40%も多かったため、用水の不足は見られなかった。 2、 平滝地区では地区内からの反復利用量は全用水量の75%、全排水量の65%となっており、降雨量は平年以下の年に比較するとやや低い値を示したが、400ha規模の水田地帯としては全国的にも極めて高い用水に再利用率である。 3、 代かき・田植期や中干し期、落水期には排水路の水質が悪化するが、地区外への排水量が少ないため、.流出負荷量が小さい。 4、 反復利用による水田地帯への還元量(平成10年)は窒素で7.6kg/10a、リン 0.87kg/10a、有機物質は29.3kg/10aとなり、窒素の還元量は必要施肥量に匹敵する。 5、 慣行田では代かき・田植期に用水量が最大となるが、不耕起栽培田では移植を容易にするための初期灌水程度(30mm)あれば十分である。中干し前の集中調査で、不耕起田の一筆蒸発散浸透量は平均5.9mm/d、慣行田では平均4.5mm/dで計画用水量30%程度である
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[Publications] 工藤明・泉完 他: "青森県津軽地域における廃堰の現状と水質改善の試み" 農業土木学会水利法. 12. 2-8 (1998)
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[Publications] 工藤明・川越信清 他: "幹線用水路の流下に伴う水質変化機構" 農業土木学会論文集. 196. 9-16 (1998)
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[Publications] 工藤明・泉完 他: "津軽地域における農業用溜池の水質変化と水環境" 農業土木学会誌. 66-10. 55-60 (1998)