1996 Fiscal Year Annual Research Report
荒廃地対策としての圃場整備とその補完対策としての動物導入による土地管理
Project/Area Number |
08660288
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
木村 和弘 信州大学, 農学部, 教授 (40021092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 寛二 信州大学, 農学部, 教授 (50126166)
馬場 多久男 信州大学, 農学部, 講師 (60021086)
伊藤 精晤 信州大学, 農学部, 教授 (50021085)
辻井 弘忠 信州大学, 農学部, 教授 (30045752)
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Keywords | 山間傾斜地 / 水田 / 耕作放棄地 / 圃場整備 / 動物飼育 / 土地管理 |
Research Abstract |
(1)急傾斜地の水田圃場整備における地区選定の方法や整備後の周辺の土地利用を検討した。 (2)圃場整備地周辺の整備対象からはずれた区画では、急速に耕作放棄が生じていることが明らかになり、これらの区画が災害の発生源になっている事例も見られた。 (3)山間地の荒廃化した水田、畑への牛、鹿、綿羊、山羊等の動物導入の事例について検討した。全国各地の事例について、資料収集及び現地調査を行った。その結果、動物導入の効果及び問題点を明らかにすることができた。 (1)荒廃水田での牛の放牧効果は、a雑草の除去等による人力の除草作業の軽減と景観の保全、b畜産生産の面からの環境保全型畜産の達成、c鳥獣対策の3点を確認できた。他の動物についても、aとbの効果が見られた。 (2)しかし、新たな動物である鹿の放牧地では、過放牧になっている事例も見られた。適切な飼育頭数管理が必要で、その前提としては生産物の流通改善が求められている。特に屠殺が隘路となって供給不能になり、過放牧になる場合も多い。 (3)荒廃地への動物導入のためには、ある程度、まとまった土地が必要である。現状では、荒廃地でも借地ができない場合が多く、行政や農協等の仲介による荒廃地の貸借の促進が求められている。 (4)荒廃地対策としては、圃場整備で対応するところ、動物導入で対応するところ、それぞれの区分が必要で、傾斜地の水田団地での土地利用計画の作成が求められている。
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Research Products
(2 results)