1998 Fiscal Year Annual Research Report
農地環境に関わる水の量と質のモニタリングに関する研究
Project/Area Number |
08660289
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
天谷 孝夫 岐阜大学, 農学部, 教授 (80033265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 直正 岐阜大学, 農学部, 助教授 (80180644)
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Keywords | 農地環境 / 水質改善 / 土の保水・透水性 / 土の物理・化学性 / 塩類障害 / 土壌保全 |
Research Abstract |
主要な目的の一つは、水の量と質の簡便な同時測定法に必要な高精度の基本データを確定し、その測定法の能力を検証することである.そのため、試作テンシオメー夕と電子天秤とで構成される、土壌の保水性と透水性の簡易同時測定法のさらなる改良を図った。土壌の保水性と透水性の測定原理は、土壌水分ポテンシャルと土壌内全水分量とを自記計測するものであり、土壌スラブ上下の圧カセンサ及び天秤の各指示値をデジタル出力し、計測値を直接ビデオ撮影し取り込み解析する方法をほぼ確立すると共に、各種土壌による実験結果と理論値との良好な一致を得るに至った。 次に、土壌水中のイオンの量と質が水の存在状況に与える影響を、特に土の分散凝集現象面から解析し、農地環境条件の安定化の方向性を検討した。中でも、灌漑水の水質汚濁に伴う土壌の物理・化学性の悪化の状況は、極めて複雑な様相を呈することが、実験的に確認された。そこで、土壌の物理・化学性に影響する要因の相互作用について考察することにより、水質障害対策を包含した土壌保全のあり方を提案した。 さらに、水の質を色やその他指標により表現する手法の探求に関しては、ビデオ記録法の活用も含め、精密な水質の化学分析結果との関連から検討を続けた。すなわち、化学的な水質項目の分析ならびに水の色に関連する実験項目の測定を重ねた。その結果、化学的な意味での水質のみならず、人が直接的に見たり感じたりする水の質に関する指標が、農地環境に対する大きな影響を表現するのに適切なものであることを示した。
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