1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08660290
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
加治佐 隆光 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (60177376)
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Keywords | SS / 濁度 / COD / EC / 農地 / 暗渠排水 |
Research Abstract |
本年度には以下のことを確かめた。(1)廃水水質向上のために,昨年度とは手段を代えて(暗渠疎水材に代わるの手段として)暗渠管中へのコンポザイムの投入を試行した。その結果,管内における濃度変化には拡散方程式を近似的に利用できることを確認した。しかし,水質は逆に劣化しオルト燐酸濃度などの上昇が見られた。今後,投入する混和剤を再検討する必要性がある。(2)暗渠排水の濁度やCODが,開渠排水の水質よりも良いことを期待して三重大学附属農場にて実測を行った。その結果,濁度の負荷量に関して,暗渠排水のものは開渠排水のそれよりも小さいか同じであることを確認した。(3)附属農場の各所でぼ同時に水質を測定して,水質濃度の意味を再確認した。その結果,濁度の濃度の対数値は,硝酸濃度の対数値と逆相関関係にあることが確められた。この硝酸濃度の対数値は電気伝導度の対数値と相関関係が高かった。(以上の(2)と(3)は,開渠排水から暗渠排水への変化に伴う濁度の負荷量の減少のみならず,硝酸濃度と電気伝導度の増加を示唆しているが,現在,詳細を調査中である。)(4)最後に,暗渠管周囲の水分移動の詳細に関してシミュレーンモデルを作成して検討した。その結果,暗渠管からの排水量の時間変動が比較的大きいことが確認された。逆に,盛土部から暗渠管を通らずに排出される成分は時間変動が比較的小さい。これは,水文学的に見て,暗渠排水量が直接流出量に相当し,盛土部から暗渠管を通らずに排出する成分が基底流出量に相当することを示唆している。次には,実際の流出量との整合性を調整する必要がある。なお,当流域に関するマニング則の適用と,当研究の背景(ダム湖湖面の汚濁)に関しては,それぞれ研究論文として投稿中である。
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Research Products
(1 results)