1996 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ灌漑下の土壌中における水と塩の挙動に関する研究
Project/Area Number |
08660294
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
矢野 友久 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (80032085)
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Keywords | 点滴灌漑 / 塩水灌漑 / 蒸発散量 / ライシメータ |
Research Abstract |
ガラス室内に設置した計量型ライシメータ(直径l.5m,土層厚1.6m)3基に海岸砂を充填し,オレンジを各ライシメータに1本ずつ植栽した.平成8年9月中旬から約1カ月間,ライシメータ1基に塩水灌漑を行った.灌漑水はNaClとCaCl_2を1:1(当量比)の割合で2,000mg/lの塩分濃度(電導度:3.9〜4.0dS/m)になるように調合した.灌漑は点滴灌漑方式によって毎日行い,毎日の灌水量は,リーチング割合が0.2〜0.3になるように設定した.測定時期の蒸発能は,ガラス室内に設置した直径20cmの小型蒸発計で最大4.5mm/dayであり,オレンジの蒸発散量は水道水で灌漑した場合,最大3.65kg/day(ライシメータ面積を用いて水深に換算すると,2.1mm/day)であった.塩水灌漑による蒸発散量の影響は灌漑開始直後から徐々に表れ,1カ月間経過した時点で塩水灌漑条件下の蒸発散量は普通水灌漑条件下に比べて約25%減少した.減少割合の変化はほぼ直線的であった.ライシメータ底部に設けた排水口からの排水の電導度は灌漑開始直後の0.45dS/mであり,2週間程度経過した頃から上昇し始め,最終的には0.8dS/m程度の値を示した.オレンジの根元から10,30cmの距離において,深さ10cmから10cm毎に70cmの探さまで採土法によって実験終了後に測定した飽和抽出液の電導度は根元付近で高く,最大2.5dS/m,単純平均1.2dS/m程度の値を示した.従来の研究結果によれば,1.7dS/mの値まではオレンジの収量に全く影響がなく,3.3dS/mの値で収量が25%減少すると言われており,蒸発散量と収量の違いがあるが,本研究では塩水灌漑による生育への影響が大きいことを示した.
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