1997 Fiscal Year Annual Research Report
有限変形弾塑性FEMによる飽和粘土地盤の応力・変形・支持力解析
Project/Area Number |
08660300
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
東 孝寛 九州大学, 農学部, 助手 (00181066)
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Keywords | 有限変形解析 / 微小変形解析 / 弾塑性FEM / 圧密変形解析 / 正規圧密飽和粘度地盤 / 極限支持力 |
Research Abstract |
最初に、有限要素法(FEM)による圧密変形解析手法を用いた地盤の支持力解析法の手順、解析に必要なパラメーター、および解析に使用する要素についての再検討を行った。そして、新しい解析手順を用いて、帯状等分布荷重が作用する均質な等方あるいは異方正規圧密飽和地盤について、微小変形弾塑性FEMによる非排水支持力解析を行った。その結果、解析にアイソパラメトリック四辺形要素を使用すると、破壊域(破壊要素分布)の発達状況や地盤の極限支持力が精度よく評価できることが分かった。 次に、静水圧と帯状等分布荷重が作用する均質等方な正規圧密飽和地盤について、有限変形弾塑性FEMによる非排水支持力解析と排水条件下の変形解析を行い、微小変形解析結果と比較した。具体的には、地表面に湛水があり静水圧が作用する場合と、湛水がなく静水圧が作用しない場合の地表面沈下、水平(側方)変位、および地盤の極限支持力の差異を、地盤の圧縮性を変化させた解析から明らかにした。特に、地表面に湛水する場合、湛水しない場合より地盤の極限支持力は小さく、排水解析の場合、浅層部では引込み沈下による内側への水平変位が大きく、深層部では、逆に外側への水平変位が大きくなった。 さらに、有限変形圧密変形解析とも関連する赤井・田村の圧密解析手法における連続条件式を離散化する際の動水勾配の評価手法の違いが解析結果へ及ぼす影響について、三角形要素から成る有限要素モデルについての圧密解析結果をもとに検討した。その結果、要素重心間の水頭(または間隙水圧)の差からx、y方向の動水勾配を差分的に評価する方法の方が、要素重心間のそれらの差から直接重心間の動水勾配を評価する方法より、常に圧密が速く進行することが判明した。なお、後者の方法については、有限要素定式化の際に透水性の異方性が考慮できるように拡張した。
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