1996 Fiscal Year Annual Research Report
最適制御理論によるノンホロノミック車両系の軌道計画
Project/Area Number |
08660309
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
鳥巣 諒 岩手大学, 農学部, 教授 (70038264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 純一 岩手大学, 農学部, 助教授 (80133908)
井前 譲 岩手大学, 工学部, 助教授 (30184807)
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Keywords | 非ホロノミック系 / 移動ロボット / トラクタ / 最短時間制御 / 自律走行 / 枕地 |
Research Abstract |
本研究は農作業車両の運動を非ホロノミック車輪型移動ロボットの運動としてとらえ,枕地旋回問題に焦点を絞り最短時間旋回問題を検討する。この問題を自律走行という観点から見直すと,どのようなハンドル操作を行えば最短時間で行えるか,またその時の最適軌道はどうなるかなどの移動ロボットの軌道計画問題の一つとなる。 本研究では,農用車輌の低速時の操舵と運動の関係を表す非線形運動学モデルを用いて,枕地問題を3つの異なるアプローチで考察する。第1の方法は,微分幾何的なアプローチで,車両運動が速度と曲率をもつ質点運動に等価であるということを利用し,応用数学の分野で得られた定理を用いて,枕地問題を解析的に解いた(文献1)。第2の方法は,最適制御理論の最大原理によるアプローチである。これについては,大域的な最適解を求めることは非常に困難であることを示した。第3の方法は,最適制御理論の分野で広く採用されている数値解法で,時間未知の最短時間問題を時刻を既知パラメータする問題に変換し,収束性のよい2次アルゴリズムを適用して枕地問題を解いた。 得られた結果を要約すると,1)畝幅が車両の最小旋回半径Rの2倍よりも大きい場合には,速度最大で,最大操舵角あるいは,ゼロ操舵の組み合わせで最短時間旋回ができる。2)畝幅が2Rよりも小さい場合には,速度は前進と後退を組み合わせ,操舵は最大という場合が最短時間になることを示した。この方法は,どの時刻にどのようにハンドルを切るかということが計算できる。従って,自律走行車両の軌道計画が具体的に求まるというメリットがある。なお,人の制御遅れや実際の車両のハンドル部から操舵輪間での慣性項の影響を考慮した人による枕地の最短時間制御問題も考察している(文献2)。
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Research Products
(2 results)