1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08660320
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
皆川 秀夫 北里大学, 獣医畜産学部, 講師 (70146520)
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Keywords | 豚 / 投光 / 体高 / 画像処理 / 体重 |
Research Abstract |
過去2年間の成果として豚の投影面積に体高を乗じた体積は体重と高い相関を示しこれを利用して精度の高い豚の体重測定ができることがわかった。そこで最終年度は投光による豚の影を利用し影の長さと光入射角から体高を推定する方法を探り、画像処理による豚の体重計測法の確立を目指した。 投光による豚の体高を計測する装置を試作した。光源は150Wおよび500Wのハロゲン燈2種類を使用した。光源位置3箇所を選び床面の光入射角分布を調べた。床面を24区分および35区分し各区の中央に直径2.7cm高さ15.8cmの円柱を立てその影の長さを計測、円柱の高さとその影の長さとから各区の光入射角、円柱の高さの誤差を求めた。光源にフレネルレンズを介し光の平行化も検討した。体重47.6kg〜107.0kgの肥育豚合計7頭を供試し投光による豚の体高を求め、実測値と比較した。 150W光源3箇所の光入射角分布を調べた結果、円柱の高さの誤差は±30%〜±45%と大きな誤差を生じた。誤差が±30%と最少の光源位置にフレネルレンズを設置すると影の範囲が床面中央付近に限定されたものの、誤差は±15%と著しく減少した。投光範囲の大きな500W光源にフレネルレンズを設置しても誤差は±2%の改善にとどまった。150Wが点光源であるのに対し500Wは線光源であることが原因である。7頭の豚の体高を算出した結果、5頭は24区分平均光入射角より求めた体高に比し1区分光入射角による方が約1/4の誤差となり、その平均誤差は4.6%と実用的な値を得た。しかし2頭は1区分光入射角を用いても10%超える大きな誤差が生じた。これは光源および豚の位置により肩の影でなく脇腹の影を計測したためと推定される。以上より投光による豚の体高を簡易に計測する方法が見出せた。豚の肩の影を作る最適な光源や投光位置の検討が残された課題である。
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