1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08660325
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅原 和夫 東北大学, 農学部, 教授 (20005672)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西脇 亜也 東北大学, 農学部, 助手 (60228244)
|
Keywords | シロクローバ / 反芻動物 / 採食性 / サポニン / ルーメン性状 |
Research Abstract |
シロクローバは高蛋白飼料草であるが、界面活性作用を持つサポニン様物質も含有する。本年度は反芻家畜のシロクローバ採食性の定量的把握と採食後のルーメン内性状の変化について、特にルーメン内泡沫形成とその影響について解析した。 〇緬羊を用い、シロクローバ・オ-チャードグラスの定時給餌・不断給餌試験を行い、両草の採食量を経時的に調べた。給餌直後には多量のシロクローバが採食されたが、採食の進行に伴いオ-チャードグラスの採食が増加した。一方緬羊にシロクローバを単一給与した場合、その高消化性にもかかわらず採食量はシロクローバ・オ-チャードグラス同時給与下と同様であった。またシロクローバ単一給与緬羊ではルーメン内が顕著に泡沫化した。 〇ルーメンカニューレ装着緬羊を用い、シロクローバ採食後のルーメン液泡沫安定性、サポニン濃度とルーメン発酵の経時的変化を調べ、オ-チャードグラス採食時と比較した。ルーメン液泡沫安定性とサポニン濃度はシロクローバ給餌後2時間で大きく上昇した。またシロクローバ給餌後のルーメン発酵産物濃度とプロトゾア密度はオ-チャードグラス給餌下にくらべ有意に上昇した。オ-チャードグラスからシロクローバ給与への移行に伴う採食行動とルーメン運動の変化については、シロクローバ採食により採食・反芻時間が大きく減少し、同時にルーメン収縮頻度の増加と圧力変化の減少が認められた。これらシロクローバ採食時のルーメン特性に草中サポニンが関与する可能性が示唆された。 〇シロクローバ給与緬羊に消泡剤を投与し、ルーメン内泡沫形成量を変化させたときのルーメン発酵の変化について調べた。消泡剤投与によりシロクローバ給与直後のルーメン発酵産物濃度の上昇とプロトゾア密度の有意な低下がみられ、ルーメン内泡沫形成が摂取草の消化過程に影響を及ぼす可能性が示唆された。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] OGURA, S.: "Foam stability of rumen fluid and saponins under feedig white clover to sheep" Proc. of the 8th AAAP Animal Science Congress. 2. 710-711 (1996)
-
[Publications] 小倉振一郎: "反芻家畜のシロクローバ採食に伴うルーメン運動の変化" 川渡農場報告. 12. 15-19 (1996)
-
[Publications] 小倉振一郎: "反芻家畜のシロクローバ採食時に生ずるルーメン液泡沫形成がシロクローバの利用性に及ぼす影響1" 日本草地学会誌. 42(別). 290-291 (1996)
-
[Publications] 小倉振一郎: "反芻家畜のシロクローバまたはオ-チャードグラス採食時におけるルーメン発酵、ルーメン液発泡性およびルーメン運動" 日本草地学会誌. 42(別). 292-293 (1996)