1996 Fiscal Year Annual Research Report
キトサンによるルーメンバイパス蛋白用コーティング剤開発は可能か
Project/Area Number |
08660331
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
関根 純二郎 鳥取大学, 農学部, 教授 (40001466)
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Keywords | キトサン / 反芻胃内分解様相 / 去勢牛 / in situ培養 |
Research Abstract |
本研究では、去勢牛の反芻胃内培養においてキトサンが分解されるかを検証するとともに、培養サンプルの大型バッグ内収容方法によるキトサンの分解様相の違いを検討し、以後の培養方法を確立することを目的とした。 方法:反芻胃および十二指腸カニューレを装着したホルスタイン種去勢牛にイタリアンライグラスサイレ-ジを由由採食させた。キトサン約1gを目開き0.045mm,サイズ 40×50mmのナイロンバッグに入れた。これらを10個まとめて大型のナイロンバッグに収容した。大型バッグは、長さ約600mmの8号ナイロンテグスをつけ、スチールボール5個(150g)を入れた目開き1mm,サイズ100×400mmのナイロン製のものであった。培養方法は、大型バッグに任意に収容したものと培養バッグが重ならないように配置して固定したものであった。反芻胃内培養は、12,24,48,72,96時間であった。各バッグは、所定の時間培養後反芻胃から取り出し、ナイロンバッグ法の定法により洗浄した後、105℃で乾燥して乾物重量を求めた。 結果:キトサンは、培養96時間まで、去勢牛の反芻胃内において分解されなかった。培養後のキトサンの平均残存割合は、任意収容方法で108.7±2.8%整然配置方法で107.8±3.3%となり、大型バッグ収容方法による有意な違いは認められなかった。また、各培養時間におけるキトサンの残存割合は、任意収容方法では、培養12,24,48,72,96時間で、各々、104.7,108.1,110.2,111.6,108.9%となり、整然配置方法では、各々、105.2,108.7,111.3,106.6,107.0%となった。キトサンの残存割合と培養時間との間には、両収容方法とも有意な相関関係は認められなかった。現在は、モ-バイルバッグ法による結果の解析を行っており、これらの結果を基に、次年度の実施計画を作成する。
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